また新しい手組ホイールを組みました。組んだのは12/13㈰ですけど・・・
手組を組むのはこれで4作目となります。
ほぼ年1ペースで新しい手組ホイールを組んでます・・・(^_^;)
このままいくと来年も新しい5作目の手組ホイールを組むことになる予感がします・・・・が、おそらくもうこれ以上新しい手組を組むことはないと思います。
なぜなら、試したかった手組は今回ので最後となるため、今後新しい手組を組むときはよほど目新しいものが登場した時か、劣化したり事故したりで手組を修理する時以外無いと思われます(^_^;)
ちなみに今回組んだのはリアのみです。
フロントはリンさんから譲ってもらったpacenti sl23リムを使った手組ホイールを使用しています。
今回のテーマは「斑鳩3号よりもさらに反応性と快適性を向上させ、ロングやブルベに特化させた快適兼高剛性ホイール」です。
斑鳩3号はフルクラム レーシング3に変わるオールラウンド手組ホイールというテーマで作りましたが、今回はそれよりもさらに快適性能と反応性を向上させることを目指して組みました。
まずは組んだパーツの内訳です。
リム:キンリン xr31t(オフセット)
ハブ:F482BS-SL
スポーク(フリー側):DTコンペティション
スポーク(反フリー側):pillar PSR x-tra 1420
リムテープ:ベロプラグ(黃)
組み方:ヨンロク組 24H
最大の特徴はリムにあります。
このリムはオフセットリムと言って、反フリー側にリムが寄っています。
分かりやすく言うと、リムの断面が逆三角形の形をしているとして、逆三角形の下の尖った部分が反フリー側へ寄っている形をしたリム・・・といえばわかるだろうか・・・。
オフセットリムにすると何がいいかというと、反フリー側のテンションを高める事ができます。
反フリー側のテンションを高めたらどんな効果があるのかというと、駆動効率が上げられます。
つまり、オフセットリムにする事で力の伝達性能がさらに向上し、踏んだ時の反応性がアップします!(…理論上は)
ちなみにテンションアップの数値はどんなもんかというと、通常のリムでフリー側と反フリー側の比が100:50だとすると、オフセットリムでは100:60くらいになるそうです。
つまり約10%反フリー側のテンションが上げられるとの事。
いやそれが踏んだ時どれだけ変わるのかと言われれば、使ってみないとなんとも言えないのですけど…(^_^;)
そしてもう一つの特徴。
それは、このリムがワイドリムであるということ!!!
ワイドリム時代の今となっては、最早説明するまでもないと思います。
これに25Cタイヤを履かせて、乗り心地を向上させます。
(※今までの斑鳩3号では細いナローリムに23Cを履かせていた。)
ちなみにリム重量は公称値490gで、軽くはないがそこまで重くはない。(確かレーシング3のリム重量もこれくらいだった筈…)
リムハイトに関しても31mmでオールラウンド仕様。
今回はこのリムを用いて、手組を組みます。
さっそく作業開始!
斑鳩2号はアルミクリンチャーのくせに前後で1300gを切るくらい超軽量なのだが、ピークスとかでしか出番がなく、しばらく使わないと判断して斑鳩2号の後輪を一旦解体し、そのハブを今回組もうとしている4作目ホイールに流用することにします。
ということでまずは斑鳩2号の後輪をバラすところからスタート。斑鳩2号は土砂降りの中走ったピークス熱海以来、ずっとタイヤを付けたまま置いてありました。
まずはタイヤを外すとこからだな……。
そう思い、タイヤを外してみると・・・・
!?なんと、リムから謎の水が出てきました。
え、まさかこれって……(察し)
そう、ピークス熱海の時の土砂降りの雨がリムの中で乾かずに残っていたようです(^_^;)
約3ヶ月経過した今になってその時の雨水が出てくるとは、相当な雨だったことが伺えます。というか相当な雨だったorz
ホイールを解体するため、ベロプラグを外していくと、ニップルホールに水の膜ができあがるくらいに雨水が浸入してました(^_^;)
ニップルをすべて外しました。
スポークもすべて外して、いよいよ新たなホイールを組み始めようとしましたが・・・・
・・・なんかハブの回転が渋い気が・・・(-_-;)
いや、明らかに回転が渋い。ゴリッてる。
これは、雨の中走ったあと長期間放置していたせいで中のベアリングが逝ってしまったのだと思われる。。。(-_-;)
仕方ない、ベアリングを打ち替えることにしよう・・・幸いにも一年前にシールドベアリングの打ち替えは経験しているし、一度やったことのある作業ならばそう難しくはない。
ということでハブをバラしてみると・・・シャフトになんか水滴が付いてる(^_^;)
フリーボディを外してシャフトに付いてるカラーを外すと、なんかサビサビになってた…(^_^;)
こっこれはまずいですねぇ・・・
ひとまず優しく錆取りして、中を清掃。
このハブは本体に2つ、フリーに2つベアリングが打ち込まれている。
本体はこれと
これ。この2つを打ち替えればとりあえず問題ない。
ということでさっそくハブを握りしめ、床に思いっきり叩きつけて連続打撃を与え、ベアリングを取り出そうとする。
しかしなかなか出てこない。
ちょっと音もやばく近所迷惑になりそうだったので、近くの公園まで行って誰もいなさそうなところで固いところに打ち付け、無事ベアリングを取り出すことに成功しました。
家に戻って新しいベアリングをねじ込んでいきます。
ハブシェルにつっかえさせ、ナットを締めることでベアリングがうまく入っていくよう工夫します。トーテムポールみたい。
これをねじ込んでいき、ベアリング圧入完了。
フリー側も同じようにうまく工夫してねじ込めるよう組み立てます。
フリー側も圧入完了。ハブシャフトをゆすってみてガタがなければベアリングが奥まで入っている証拠……のはず…。
ハブの整備が終わったらスポークを通してホイールを組み立て、縦振れと横振れを取ってテンションを上げ、センターを出していきます。
最終的に反フリー側約74kgf・フリー側約120kgfで落ち着きました。
比率も約61%。たぶんいい感じ。
その後ベロプラグをはめ込んで・・・
完成!!!
重量的にはフロント598g・リア880g・合計1478gとなりました。
以前メインで使っていた斑鳩3号がフロント619g・リア835g・合計1454gだったことを考えると、今回の手組に交換した事で28gの重量増となりました。
28g増えるデメリットと引き換えにワイドリムによる快適性とオフセットリムによる反応性アップを得られるのであれば、かなり許容できる範囲なのではないでしょうか。
肝心なホイールを使ってみた感想としては、これを組んで本当に良かったと思いました!!!!!!!!!!!!!
まずワイドリムによる快適性。
今回の手組用に25Cのコンチネンタル ウルトラスポーツ3を用意し、今回それを履いて走ってみたのですが振動吸収性能が以前のホイールよりもかなり良くなりました。
今までは斑鳩3号(ナローリム&23C)+Cannondale CAAD12(アルミフレーム)で、路面からの衝撃が「ガタッ」「ガタッ」という感じでダイレクトに来まくっていて、ケツがすぐ半壊状態になっていました。
しかし今回のワイドリム手組ホイールに変えてからは、タイヤが太くなってエアボリュームが増えたことにより、衝撃がカーボンフレームの時のように「コトッ」「コトッ」といなされるようになり、かなり快適に乗れるようになりました。
正直ここまで振動吸収が良くなるとは思っておらず、ワイドリムによる恩恵にめっちゃ感動しています(^_^;)
そしてオフセットリムによる反応性アップ効果。
こちらもオフセットじゃない時よりもわずかに反応性が良くなってる気がします。
こればっかりはどうしてもはっきりとした数値などでは表すことができず、プラシーボ効果の可能性もあってはっきりとはいえませんが、私の感覚の中では確かにオフセットじゃない時よりもオフセットの時の方が反応性が良いように感じます。
リム単体で約40gも重くなっているのでその分なんとなく重くなってる感じはありますが、それ以上に反応性が良いので重さを反応性でカバーしてるような、そんな感じでした。なので多少の重量増は全然気にならず、逆に反応性が良いおかげでスイスイと登っていけてかなり楽しいです。
元々は手組も最終的にはワイド化する構想が当初からありましたが、いつ実現させるかまでは特に決めてなくて優先度も低めでしたが、先日の9月の中部1000kmを走ったことでその実現までのスピードは一気に加速していきました。
どういうことかというと、中部1000kmを走ったことでケツが痛すぎてこのままではやっていけないと思ったからです(^_^;)
今後も岡山1200kmなどの超長距離へ挑戦していくことを考えると、少しでも振動吸収性能を向上させ、ケツへの負担を減らす必要があると本気で感じ、今回の手組ホイールワイド化へと至ったのでした。
さらにせっかくワイド化するのならオフセットリムも試してみようと思い、今回このリムを選んだ次第です。
そして、この新しい手組ホイールには現在名前がありません。
とりあえず、今までの流れからすると斑鳩4号という名前が妥当と思えますが、(今のところ)手組ホイール最終形態であることを考えるともっと何か特別な名前が欲しかったり欲しくなかったり・・・
なので一旦斑鳩4号(仮)という名前で使っていこうと思います。
なんかいい名前あったらいいなぁ・・・・
おわり。
2021/1/19追記
手組組んでる様子の動画アップしてみました。
おまけ的な感じでよければどうぞ。