2年くらい前?にリンさんから貰ったPACENTI SL23リムで組まれた手組ホイール(前輪のみ)があります。
↓これ。
こちらは2021/4の岡山1200kmで完走に貢献してくれた、とても信頼のある超高性能なワイドリムホイールです。↑は岡山1200km 2日目の夕方、出雲大社前で撮ったもの。前輪に履いてます。
・・・「とても信頼のある」と書きましたが、正確には「とても信頼のあった」ホイールです。
何があったのかというと・・・
ことの始まりは所有している手組ワイドリムホイールの数を増やしたい(当時は1セットしか持ってなかった)と思い、組むホイールについて色々考えてる時にその出来事はありました。時期的には2022/2/1くらいの話。
もともとはクロス組の手組を使えば横剛性が出せてスポークが一本くらい折れてもへっちゃらで乗り心地が良くなるということから、クロス組の手組ホイールを昔から愛用していました。
手組ホイールを使うだいたいの人はフロントラジアル、リアクロスの組み方で使っているかと思いますが、私があえてフロントクロス、リアクロスの組み方で使っているのは上記の理由によるものです。(あとダンシングの時にフロントラジアル、リアクロスだとリアに比べてフロントが横剛性低くなる関係上、体重移動のタイミングが少しずれるのが嫌というのもある)
ダンシングで体重移動のタイミングがずれるのが嫌と書きましたが、ずっとフロントラジアル、リアクロスのホイールの組み合わせでずっと乗っていれば慣れるので全然問題はありません。
岡山1200もそれで走ってますので…。
それじゃ何が嫌なのかというと、前と後ろが同じ組み方のホイールから乗り換えた直後に体重移動のタイミングがずれる・・・それが嫌なのです。
前と後ろが同じ組み方のホイールというのは、例えばフルクラムの完組ホイールのようにフロントラジアル、リアラジアル(リアは2:1組みで見かけはクロスですが実際はストレートスポークを使っておりスポークを物理的に直接交差させていないことからラジアル扱いとしてます)だとか、愛用している手組ホイールのフロントクロス、リアクロスのような条件のことをいってます。
前と後ろが同じ組み方ならば、前と後ろが同じだけの(全く同じではないと思うけど…)横剛性を持っていることとなり、ダンシングでホイールを斜めにひねる力をかけても前と後ろでホイールをひねった時の変形量が同じだから、体重移動もやりやすいです。
しかし前と後ろで組み方が違うと(上に書いたフロントラジアル、リアクロスみたいなパターン)前が後ろに比べて横剛性が低く、ホイールを斜めにひねった時の変形量が多いせいで、前後同じ組み方と同じ感覚でダンシングしてしまうとフロントだけ若干スカを食う感覚になるのですよね。
ずっと乗って慣れれば、そのスカを食う分を考慮し少しだけの体重移動で済むということを体が覚えるので大丈夫なのですが・・・・
長々と書きましたが(書いても多分ほとんどの人には伝わらないだろうけど…)結論としてフロントラジアル、リアクロスみたいな前と後ろで組み方が違うホイールはなるべく使いたくないということです。
じゃあなんでフロントラジアルの組み方だったPACENTI SL23を今まで使ってたかというと、それだけリムが異常なくらい高性能だったこと、他にワイドな手組リムを持ってなかったというのが主な理由です。(リムの性能については後述します。)
話を戻しますが、上に書いた理由でフロントクロスの新たなワイドリムの手組ホイールを色々考えていました。
なんのリムを使おうかなーとか、そんな感じのことです。
はっ・・・・!
ある時ふと思いつきました。
PACENTI SL23リムを解体してクロス組みにすればいいのでは!?!?
・・・なんで今までそんな簡単なことに気づかなかったのだろう。
そういうわけでPACENTIをクロス組みに生まれ変わらすために解体することにしました。
さっそくニップルを緩めていきます。
緩めていきますが・・・・・・
・・・・・・・
??????????????ニップルが割れました。
かろうじて繋がっている四角形の部分をうまくニップルレンチで掴んで回し、一応すべてのニップルとスポークは外すことができました。
さきほどの割れたニップル。
ボロボロになってて白い粉ふいてるし・・・
もしかしたら電蝕でしょうかね?
※電蝕とは、ガルバニック腐食(日本語だと異種金属接触腐食?)とも呼ばれ、イオン化傾向の高い金属と低い金属が密着していることで発生する腐食現象のことです。
今回使っていたスポークはステンレス、ニップルはアルミで、アルミとステンレスの相性は良くなく、電蝕が起こりやすいことで知られています。
今回はそれが起こっていたのではないかと推測。
手組を始める当初から電蝕の存在は知っていて、いつかこうなることも承知の上でやや重いブラスニップルではなく軽量なアルミニップルを使っていたわけですが(電蝕は起こったとしてもそれ以上に外周部の軽量化の恩恵が大きいため、アルミニップルを使用してきた。悪くなったら取り替えればいいし…)、実際にこんな状態になっているのは初めて見ました。
ちなみに参考にお聞きしておいたのですが、組んだのは2018年頃とのことだったので、だいたい3〜4年くらい経過していた・・・と思われます。
もちろん使用環境や使用条件なども腐食の進行度に影響しているので一概に経年だけでは説明できないとは思いますが!
ちなみに雨の中はあまり走ってません!!
2019年の土砂降りあおばスーパー麦草400ブルベは初代手組である斑鳩1号ホイールで走ってましたし、もう一つの土砂降りライド、2020年ピークス熱海ド変態も超軽量手組ホイール斑鳩2号で走ってました!
あ、ただし通勤の往復4kmでは雨でもお構いなしにPACENTIホイールを履いて走ってたかな・・・(^_^;)
まぁそんなことは置いておいて、バラしたリムを今後も使えるかどうか、せっかくの機会なので目視点検しておきます。
・・・・・・・・
・・・ん??
ニップルホールの部分・・・なんかクラック入ってないか???穴の真横に2つ。
爪で触ると引っかかるレベルのクラックがあります。
それもこの写真の部分だけでなく、ほかにも7箇所くらい・・・・(^_^;)
・・・このまま使うのは明らかにやめておいた方がいい気がする。
出先でリムが割れたなんてシャレにならないし。
しかも前輪だから、不具合が起きたときの影響が大きい(前輪が突然壊れると大事故に発展しやすいような気がする。)
しかしこのリムはリムハイト確か25mmくらいあって、アルミで超ワイド。
それでいて重量が416g(実測)しかないというありえないくらい高い性能を秘めたリム。
できればまだまだ使いたいところだが・・・・
やはりランドヌールをやっている以上、安全面のリスクを犯す訳にはいかない。
絶対安全絶対完走がモットーなので、このリムを継続使用するのはやめることにしました・・・(T_T)
あ、あとこの手組ホイールを貰ったときに聞いた話をバラしてる時に思い出したのだが、このリムが販売されて以降、リムが割れたとかの報告が相次いでて、改良版のリムが販売されたんだとか。
しかも改良版になってから重量が一気に増え450か460gくらいにまでなったんだとか。
25mmくらいのリムハイトのワイドアルミリムだと普通はそのくらいの重量になるはずなんですよね…いかに初期PACENTI SL23リムの耐久性能が低かったかか伺えてしまうような・・・
・・・っていうかずっと使っててリムが割れなくて良かったぁ・・・岡山1200とかの決戦の舞台でトラブルとかなくてホント良かったわ(笑)
まぁ、そんな感じでPACENTI SL23は封印の眠りについたのでした。
代わりのフロント用リムですが・・・とりあえずパックスさんのAR30Wアルミワイドリム(30mm 公称値460g)、そしてキンリンのXR31Tアルミワイドリム(31mm 公称値490g)にすることにしました。まあ信頼があってオールラウンドな性能の無難なリムという感じですね。
おしまい!