山を登りて戻り来よ - ikarugaブログ

坂バカ・ikarugaの自転車日記。山岳ロングや1000km、1200kmブルベが大好きです。2019年からブルベを始めSR認定達成。2020年はThe PEAKS ROUND6 熱海2 ド変態増し9時間30分で時間内完走達成、BRM919 中部1000km 67時間24分で完走達成。2021年はRM424 岡山1200km 85時間34分で完走達成。

ペダリングで使う筋肉の事

「事シリーズ」第四弾はペダリングで使う筋肉の話です。

※文章多めなのでご注意くださいm(_ _)m

 

先日GTBCのshiさんと走る機会があり、その中でペダリングで使う筋肉の話をしていてなかなか面白いと感じたので、今回はそれを記事にしてみます。

 

まず初めにこれはあくまで自分の考えですが・・・自転車で最も簡単に早くなる方法はペダリング技術の上達にあると思ってます。

ペダリング技術の上達」という表現だけでは抽象的なので、もっと具体的にいきます。

ペダリング技術の上達ということはつまり、より多くの筋肉を連動動作させてペダリングできるようになるということだと思います。

連動動作というのは体の中心から発した力を各関節・筋肉を通って足先まで順番に伝えていくというイメージです。

まだ乗り始めたばかりの頃だと、この連動動作がうまくできず、一つの筋肉だけを集中的に使ってペダリングしているせいで、高出力が長時間維持できないのではないかという考えです。

 

で、肝心なのはどの筋肉を使って連動動作させるかという話ですが…いま現状自分は腸腰筋+大臀筋+背筋+内転筋+ハムストリングスをメインに意識してペダリングしています。

どの筋肉がどこにあるかは…調べればいくらでも出てくるので、興味のある方は調べてみてくださいm(_ _)m

(説明用の画像を載せようと思って編集してたらなんだか色々と誤解を招きそうな感じになってしまったので取りやめたのはナイショ(笑))

 

 

今でこそいろんな筋肉を使えていますが、ロードに乗り始めた当初は全くと言っていいほど連動動作ができていませんでした。

それどころか大腿四頭筋だけをメインに踏み倒す、いわゆる長く続かない踏み方ばかりしていました。

 

ここで、雨沢峠TTのタイム向上のエピソードも交えていろんな筋肉が使えるようになっていった経緯を書いていきます。

 

まずそもそもロードに乗りたての頃は雨沢峠で20分を切ることができませんでした。

最初はアルミのエントリーロード・MERIDA RIDE LITE880 に乗っていましたが、1年と4ヶ月経過後に現在の主力マシン・MERIDA RIDE4000を完成車で購入。

もちろんこのニューマシンでも雨沢TTに挑んでいましたが・・・・まだこの時点では20分が切れていません。

ちなみにこの当時のペダルはシマノSPD、ホイールはフルクラムのレーシングクアトロを使っていました。

そこから2ヶ月後(ロードを始めて1年と6ヶ月後)、SPD-SLにペダルを交換し、シューズも当時上位グレードだったシマノのカーボンソールのシューズに交換した結果、雨沢峠で突然20分が切れるようになった(20:05→19:17)のですが……この当時も実はまだ使っている筋肉は大腿四頭筋がメインでした。

というか、そもそも当時はペダリングで使う筋肉のことなど考えておらず(知ってはいたものの特に意識はしていなかった)大腿四頭筋でゴリ押しじゃあああ!!!というまだまだ甘い考えをしていた時期でした。

その後もTTを何度も行い、練習を続けていると徐々にタイムが伸びていき、ついに19分を切って18分台に突入しました。(18分台に突入したタイミングはロードを始めてちょうど2年でした)

18分台突入後も今までと同じような考えで、大腿四頭筋メインのペダリングで鍛錬に励んでいましたが………ここらで壁にぶち当たりました。

タイムが全然伸びなくなったのです。

最も良かった時で18:21(ロードを始めて2年と6ヶ月のタイミング)でしたが、それ以上はこれっぽっちも伸びなくなったのです。

タイムが伸びなくなったこともあり、この時期からようやくペダリングで使う筋肉のことを考え始めるようになりました。

この時の私の考えとしては、「大腿四頭筋をメインで踏むのはもうやめて、持久筋であるハムストリングスをメインで使えるようになればさらにレベルアップできる」と思い、ハムストリングスをうまく使ってペダリングできるようになる練習を始めました。

具体的な練習内容としては、ハムストリングスを意識し、ペダリングを行うという単純なものです。

しかし、ハムストリングス(長いので以下ハム)を使ってペダリングするというのは当時の私からすれば非常に難しいことで、ハムで踏もうとしても自然と大腿四頭筋に力が入ってしまい、うまくハムに力を入れて踏むことができないのです。

ペダリングをする時に使う筋肉は「大腿四頭筋だ!」と体が記憶してしまっており、どうやっても無意識に大腿四頭筋が動いてしまい、大腿四頭筋から離れることができない状態でした。

大腿四頭筋から離れられない状態ではありましたが、しばらく練習を続けていると物凄い低負荷(心拍でいえば最大の70%くらい)であれば、なんとなくハムだけでペダリングできている感覚を掴み始めました。

しかしながら、TTをする時のような高負荷をかけるとやはり自然に大腿四頭筋メインの踏み方となってしまい、まだまだハムをうまく使いこなせているとは言えない状態でした。

そんな状態が続き、未だに大腿四頭筋メインでTTを行っていた某日、膝の外側に痛みを覚え始めました。

そう、腸脛靭帯炎です。

ここから私の黒歴史に入っていきます。。。。。が、長いのでカットします(^_^;)

簡単に結論だけをまとめると、色々試して調べた結果、膝に痛みが出た原因は2つあり、1つ目はペダリング時に足を外側へ振り下ろすようになっていたことで腸脛靭帯と大腿骨外顆がこすれて炎症を起こす腸脛靭帯炎が発症していたこと、2つ目はサドル高が高すぎたことによって足を伸ばした際に膝に負担がかかり、痛みが発生していたということです。

1つ目の腸脛靭帯炎は内股ペダリングをすることによって完治し、2つ目はサドル高を下げることによって痛みが出なくなりました。

こうして、闇の時代は終焉を迎えました。

そしてそれと同時に、内転筋を使うペダリングの存在に気づき始める………のですが、まだまだこの時は内転筋ペダリングを使いこなせておらず、内転筋を完全にマスターするのはもう少し後になります(^_^;)

 

闇の時代が終わると、「走っても膝が痛くないって、なんて素晴らしいことなのだろう!!と思うようになり、ライドする機会が以前よりもかなり増えました。

この年のGWには1000kmチャレンジなるものを実行し(実際に走ったのは9日間で1,118km)、走っても膝が痛くないという喜びを爆発させました。

そして、ロードに乗り始めて4年が経過したタイミングにて、ついに念願のハムストリングス主体のペダリングを完全にマスター。

そしてそして、このあたりから大臀筋を使ったいわゆる「ケツで踏む」という感覚も掴み始め、一気にマスター。

1000kmチャレンジを終えた数日後に実施した雨沢TTでは、1年半ぶりとなる自己ベスト更新(18:21→18:10)を果たし、ハムと大臀筋をうまく使いこなせるようになったということ、そしてこれらの筋肉を用いたペダリングは強い(多分)ということが証明できました。

ちなみにちゃんとその筋肉が使えているかを確認する方法ですが、TTなどで追い込みまくったあとに狙った筋肉が疲労していれば、ちゃんとその筋肉が使えていることになります。

もちろんこの1年半ぶりに雨沢TTを自己ベスト更新した際においても、大腿四頭筋はあまり疲れておらず、ハムと大臀筋に大きなダメージが入っていたことは確認できました。

 

こうして大腿四頭筋を卒業し、ハムストリングス大臀筋を使うペダリングをマスターした訳ですが、ここからはこれらの筋肉を使ってペダリングすると高い出力が長時間維持できるというところに快感(?)を覚え始め、知多半島を2周する「チタニ」をやったり、高強度多めのライドをたくさん行うようになりました。

高強度多めのライドをたくさん行うようになった理由としては、今まで大腿四頭筋をメインにしていた頃はTTを行うとあまりにも大腿四頭筋へのダメージが大きく、再起不能となることが多かったため、TTなどのアタックはだいたい1日に1回が限度でした。

しかし、持久筋のハムや大臀筋が使いこなせるようになってくると、大腿四頭筋の時とは違って1回アタックをしても疲れにくく、まだまだ踏み続けられる感覚があり、大腿四頭筋の時にはできなかった1日に数ヶ所アタックするということができるようになり、楽しいと感じられるようになったというのがその理由です。

 

先ほど登場した内股ペダリングですが、ハムと大臀筋をメインに使っている間にも内股ペダリングは常に意識していて(腸脛靭帯炎予防の意味もある)、正確な日付は忘れましたが内股ペダリングをやっているうちに自然と内転筋を使ったペダリングもできるようになりました。

あと、こちらもいつからかはあまり覚えていませんが、背筋を使ったペダリングも自然とできるようになりました。(坂ばっか登ってたら自然と身に付いていたような感じです)

 

このように、闇の時代が終わってからはどんどんペダリングのレベルが上がっていきました。

ペダリング技術の向上(ハム+大臀筋+内転筋+背筋)と中華カーボンというぶっとんだ性能を持つバイクを手に入れたということもあり、ロードを始めて5年と10ヶ月のタイミングにてようやく雨沢も17分台へと突入。(18:06→17:49)

しかし、ここでもまた新たな壁を感じていました。

「今のままでは、これ以上のタイム向上は見込めない・・・今のままでは。(大事なことなので2回以下略)」

 

そんな時、GTBCにてとあるライドへのお誘いがありました。(時期的には私がGTBCに加入してすぐのタイミングでしたが…)

それは、GTBCのヤッチーさんとともに、長野に住んでいる超強い2人組と走るというものでした。

※念の為書いておきますが、このライドは記事にしていないため過去記事を探っても出てきません…。

その2人組というのは、1人は実業団でレース活動をされていて、全国でもトップレベルの実力を誇る超人の方。もう一人の方は、レース活動はしていないものの、超人の方に匹敵するくらいの実力を持つ超人の方。(結局はどちらも超人の方)

そんな方々とライドだなんて…もう結果は走る前から見えていますが、せっかくの機会ですので全力があがいてみることにしました。

ヤッチーさんと超人の2人組。f:id:ikarugasan:20200129060448j:image写真の場所は恵那にあるばんばん亭です。

ここで昼飯を食べたあと、笠置山までライドすることになったのですが・・・道中の緩い登りでさっそく強烈な引きをお見舞いされました。

こちらも応戦し、かろうじてローテに加わりますが、心拍は既に190bpm前後。パーセンテージでいうとMAXの約95%であり、限界ギリギリです。

超人の方々はまだまだ余力を残しているようで、やはり予想通り途中でちぎられました。

笠置山も一応登りましたが既に足が全壊していたのでタイムなど出るはずもなく……なんとか登りきれたという印象です。

時間的にも日が暮れてきたため、笠置山を下ったら解散という感じでこのライドは幕を閉じました。

 

で、なんでこのライドの話を書いたのかというと、強い人と走れば強くなるためのヒントを得られると思ってこのライドへ参加したところ、予想通りいい収穫が得られたからです。

ここでようやく登場するのが腸腰筋になります。

これは前々から思っていたことなのですが、強い人は腸腰筋をうまく使えているという共通点があるような気がしていました。

強い人を後ろから見ていると、骨盤のあたりをひねるようなペダリングをしており、今回の超人の方々も後ろから見ていて、全く同じことが当てはまりました。

たぶんそれが腸腰筋を使えているということなんだろうなーと、もしかしたら私の中で勝手に思っているだけなのかもしれませんが、自分自身の中でも腸腰筋を使えていたことは今まで一度も無かったため、強い人たちが共通して腸腰筋を使えているというのであれば自分も練習して使えるようになるしかない!と思うようになったわけです。

そこから腸腰筋を意識的に使ってペダリングする練習を始めました。

初めはやはりハムの時のように、物凄い低負荷であればピンポイントで腸腰筋を使うことができるものの、高負荷をかけるとなるとうまく使うことができません。

しかし、意識的に腸腰筋を使ってペダリングする練習を8ヶ月ほど行ってきたことで、ついに先日(2019年12月〜2020年1月と、ごく最近の出来事です(^_^;))腸腰筋が完全に使いこなせるようになりました!!

ちゃんと腸腰筋が使えているかという点においても、意図的に腸腰筋を酷使することでちょうどそのピンポイントの部分だけに疲れが溜まる感覚があるため、間違いなく使いこなせているのだと自分の中では思っています。 

高負荷時でもしっかりと腸腰筋を使えている感覚があり、坂を登る速さや持久力がほんのわずかに向上したようにも感じます。たぶん。

腸腰筋をマスターしてから、まだ雨沢峠のベストタイム更新には至っていませんが、この調子でいけば今年中にはまたさらなるタイム更新が狙えそうな気もします。

 

 

こうして練習に練習を重ね、今に至るわけですが……

ペダリングで使う筋肉の連動動作ができるようになる(=筋肉の使い方に気づく・閃く)には、距離をひたすら乗るのが最も良い練習なのかな、と個人的に思います。

自転車に乗る=すべてペダリングあってのものですから、距離を乗るということはペダリングの練習の時間を大きく増やしているということでもあります。

ただし、ただ単に距離を乗るだけで速くなれるとは一切思っておらず、少なからず高強度で追い込み、自分の出せる限界の速さを磨く練習も必要だと思います。

高強度時の踏み方、呼吸の仕方、ペース配分といった高出力を長時間維持するための要素はまさしく高強度を行わないと身につかないと思うので。。。

 

私は自転車に乗っている間は常にペダリングの練習を意識すべきだと考えてます。

とはいっても、あまりにも意識しすぎると楽しくなくなるので、軽い気持ちで気長に練習をするのが良いかなあと。

それこそ、どこかへロングライドへ行く際、ついでにペダリングで使う筋肉を意識して走ってみるとか…。

私の場合はひたすら練習を繰り返し、ようやく筋肉の使い方が分かってくるというような努力タイプの傾向があるため、他の人ならばもっと短期間で筋肉の使い方を覚えたり、あるいはもっと長い日数が必要になる可能性もあると思います。

成長速度(筋肉の使い方の気づきやすさ等)は人それぞれ。

自分の成長を感じていけるのも自転車の楽しみの一つだと思うので、気長に練習していくのが良いと思います。

 

おしまい。