12月の話になりますが、(私の中で)第2世代となる手組ホイール・斑鳩2号を作りました。
↓組んでる最中。
テンションかかってないときの見た目フニャフニャなホイール、個人的に好きです(笑)
フロントしか作ってません。
リアももちろん作るつもりでしたが、TNI al22の24ホールがどこも在庫切れで入手不可だったのでフロントの20ホールだけ先に注文して組みました。
使用パーツと組み方はこんな感じ。
・リム TNI al22 20H
・ハブ NOVATEC A291SB-SL
・スポーク pillar PSR X-TRA 1420
・ニップル DTアルミ
・リムテープ ベロプラグ黃
・組み方 ヨンヨン組みイタリアン
斑鳩1号と何が変わったのかというと、スポークがエアロスポークになっています。
それ以外はすべて同じパーツを使い、同じ組み方をしました。
効果としては…
斑鳩1号の弱点だった空力性能の悪さを改善し、エアロ化とともにさらなる軽量化を果たした第2世代ホイール。
ちょっとメーカーの宣伝っぽく書いてみました(笑)
斑鳩1号ではプレーンスポーク(丸スポーク)を使っていたため、どうしても平坦巡航が苦手でした。(走れないわけではないが、伸びはない感じ)
そこで、エアロスポークを使って空力性能向上を図りました。
さらに、エアロスポーク化することで軽量化にもつながり、斑鳩1号が605gだったのに対し、斑鳩2号は560gで45gもの軽量化に成功しました。(笑)
スポークのエアロ化はほかのエアロパーツと違い、エアロ化と軽量化を両立することができるのでかなりおすすめだと思います。(普通であればエアロ化と引き換えに重量増になりますからね…)
さらに今回使ったpillar PSR X-TRA 1420というエアロスポーク。
購入はメカニコで買いましたが、最強のエアロスポークで有名なSAPIM CX-RAYとほぼ同等の性能があるといわれ、スポークの折れもほとんどないといっていいほど優秀なスポークなんだそうです。
さらにさらに、これはpillarのスポークに限った話ではありませんが、エアロスポークだと組んだ際にスポークホルダーを使うことでスポークのねじれを完全に防ぐことかでき、組み終えたあとの走行時のテンション変化(ちょっとした横振れとか)が全く起きず、安定して組み上げることができるのです。
斑鳩1号ホイールのときはプレーンスポークだったのでラジペンで頑張って抑えながらニップルを回していた……にもかかわらず、組み終えて走行すると多少の横振れが出ていたため、この効果はかなりデカいと思います。(横振れの原因はねじれが戻ることによるテンション変化?だと思われ)
…と、ここまでエアロスポークのいいところをべた褒めしてきましたがもちろん欠点もあります。
それは言わずもがな、お値段ですね、はい(^o^;)
まずはこちらを見ていただきたい。
【DTチャンピオンシルバー(斑鳩1号に使ってる丸スポーク)】
1本約70円
20H+24H=44H(ホール数)
70×44=3080円
【pillar PSR X-TRA 1420(斑鳩2号に使ってるエアロスポーク)】
1本255円
20H+24H=44H(ホール数)
255×44=11220円
【SAPIM CX-RAY(すんごいエアロスポーク)】
1本380円
20H+24H=44H(ホール数)
380×44=16720円
同じホール数で組んだときにどれだけ金額に差が出るのか分かりやすく書いてみました。
エアロスポークは、とにかく高いです。
とはいえ、完組ホイールからすればまだまだ良心的(?)な価格なので、スポークだけで1万円を出せるか出せないかは本人の感覚次第になりますね〜(^o^;)
最後にフロント斑鳩2号、リア斑鳩1号を履いて600kmほど走ってみた感想を書きます。
まず肝心の平坦巡航性能は、まあまあ良くなったような印象。
ただし、足を止めた時に長く転がっていく感覚はない。
驚いたのは、横剛性を出すためにタンジェント(クロス)で組んだのですがエアロスポークだからなのか斑鳩1号のプレーンスポークの時のような反発が全くなく、フニャフニャでした。
斑鳩1号のプレーンスポークの時だとダウンヒルのカーブの際やダンシングの際に高い横剛性によって反発感が得られ、ガチガチキビキビとした気持ちのいい反応性(印象)があったのですが、斑鳩2号のエアロスポークではそれが無い。
ダウンヒルのカーブもフニャフニャだし、ダンシングの時もフニャフニャ。走れないわけではないけれど、反発感が無い。
今までエアロスポークはラジアルでしか使ったことがなく、タンジェントにすれば横剛性が出て改善されるもんだとばかり思ってましたが、実際にはそうではなくエアロスポークで横剛性を出すのは難しい、ということが手組を作って乗ってみて初めて分かりました。(確かにスポークを手で持って曲げてみるとかなりしなっていたので、そんな気はしなくもなかったですが(笑))
これは大きな収穫だと思ったのと同時に、どうせ横剛性が出ないのならさらなる軽量化・エアロ化が可能なラジアルで組むべきだったなーと失敗したと感じたのでした。
まあ、せっかく高いエアロスポークで組んでいるのであえてラジアルにして組み直すなんてことはしませんが、次にエアロスポークで手組を作るときにはフロントはラジアルで組むことにしようと思います。
ここからは余談です。
確証はないけれど、なんとなくそんな気がする・・・というような、「もしかしたら話」になります。
今まで超軽量手組ホイールたちを作ってきました。
とくに外周部の軽量化には徹底的にこだわり、TNI al22というリムをメインに手組を作ってきたわけですが、なんとなく剛性が足りない・・・そんなような気がしてます。
先日の知多背骨ライドで一緒だった方との会話の中にも出てきたのですが、その人いわく「TNI al22は勾配が10%以上だと確実に有利になるが、それより低い勾配だと剛性があまりないがためにすぐ止まってしまうのであまり進まなくなる。逆にリム高のあるディープリムとかだと急勾配は厳しくなるが、それ以外の勾配ならal22より早く走れる」そんな話でした。
この話を聞いて、今まで手組で走ってきた経験からすると確かにその通りだなー・・・と感じる部分が何箇所かありました。
雨沢TTで18:10の自己ベストを出した時もディープリムのレッドウインドだったし、手組にしてからは理論上確実にタイムを更新できるはずだったにも関わらず、いまいち結果を出すことができなかった。(もちろんその時のコンディションの話もあるけれど)
そして、極めつけは雨沢TT中になんとな〜く感じていた「アレ?これあんま進んでないんじゃね?」感。
確かに軽い。すごい軽やかに山を登っていけるんだけども、、、なにかが足りない。一言で言えば、なんだかあまり進んでないような感覚。
いや、これが本当にリムが悪いせいなのか、はたまた自分のコンディションがたまたま良くなかっただけなのかははっきりとは分からない。
ただ、もしかしてそうなのかも…?みたいな可能性がある、そんなお話です。
こればかりはもっと乗り比べてみないと分かりません。
ということで、またしばらくはレッドウインドを履いて走ってみようかと思います。
寒くなり出してからは全盛期の頃と比べてめっきりパフォーマンスが落ち、峠でいいタイムが出なくなりました。
また暖かくなったら手組ホイールで峠へTTしに行き、本当に進まないホイールなのか?をジャッジしたいと思います。
まあ、進まないホイールだったとしても超軽量なので低速域で走る分には圧倒的に有利であり、斑鳩1号はブルベ用、斑鳩2号はキツい山岳ライド用というそもそもの目的で手組を作っているので、進まないホイールだったとしてもまったく困りませんけどね!
ということで手組が楽しくてやめられないお話でした。
おわり!!
(斑鳩3号はリム高をもっと上げて作ろうかなと妄想してます:D)