オダックス近畿さんのブルベ、BRM429 徳島1000kmGF(グランフォンド)に参加してきまして、無事74時間10分で完走しました🤘
今回はその準備編です。
まずは大会概要から。
公式ホームページ↓
https://audax-kinki.com/22brm0429_1000a/
コース↓
https://ridewithgps.com/routes/36020315
前半は南側の海沿いを走り、帰りは四国カルストを縦断して帰ってくるという後半がとにかく強烈な1000kmです。
主催者曰く国内史上最高難易度とのことで、私もそこそこ戦慄してます。(まあそれを聞いてこれは出るしかない!と思いエントリーしたんですけどね(笑))
国内最強・・・?
— ikaruga@Iさんという名前で動画投稿者やってます (@ikaruga_1735853) 2021年11月16日
これは出るしかねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
RWGで1000km 22000mアップ…まあ大丈夫でしょう! https://t.co/2CU1juLqSQ
累積標高がRWGだと24000mになってますが、これはトンネル区間を無視してリアルに山の上を通過したものとなっているため、実際には上に載せたログの通り11000m程度です(他の参加者のログも見てみると大体11000〜14000mで落ち着いていそう)
1000kmなので制限時間は75時間。
スタートしてから3日と3時間です。
具体的には4/29㈮の10:00にスタートし、5/2㈪の13:00までです。
気になる今回の天気は・・・(※4/24時点、大豊町での天気予報)
予報では1日目・2日目・3日目は雨っぽい感じで、全工程大体雨かな〜・・・と思ってましたが、日が近づくにつれてなんだか改善傾向になっていきました。(※4/27時点、宇和島市での天気予報)
ただし1日目を除いて。
1日目は昼過ぎ頃に室戸岬へと向かうのですが、そこでの天気予報がマジでクソなことに!
雨量・風速ともに危険なレベルです。
こんな暴風雨の中、走れるのか・・・?割とガチでそう思ってました
(まあこうして無事完走してるわけだからこの中を本当に走ったんだけど…詳細は当日編をご覧ください(笑))
ただ、この1日目さえ乗り越えればあとの工程では雨は降らなさそうです。
なんだか全工程の雨が初日に一点集中で放出された感がすごいですね(^_^;)
気温に関しても、全体的に10〜20℃でそこまで暑すぎず寒すぎずという感じがします。
が!
徳島1000GFではそんな甘くはありません。
コース終盤に標高1400m近くある峠が4つも待ち構えています。
これはコース終盤の大豊町という標高200mくらいの町の気温。
この町を出たらすぐに標高1400mまで登る梶ヶ森が始まるのですが、今回は5/1の夜から5/2の早朝にかけてそこを登る予定。
200m地点の大豊町でその時間帯は最低気温の9℃程度。
標高は100m上がると約0.6℃下がることを考えると・・・
12×0.6℃=7.2℃
つまり梶ヶ森とかの標高1400m地点での気温は2℃・・・
超冷え込むことが容易に想像できます(^_^;)
全体的な気温が10〜20℃であれば、去年岡山1200km走った時と同じように春秋ジャージで行きますが、今回は最後の超山岳区間の冷え込みを考慮しないといけない。
対策しないと、本当に「死」あるのみですから……。
最初は春秋ジャージでいって、最近買ったモンベルの暖かい長袖インナー+ウィンブレ2枚もつけていこうかと考えていたけども、それだけではやはり寒さに対応できる気がしない。
非常に困った・・・
さらに着る用の荷物を持っていけばいいと言われればそれまでですが、私は重い荷物を持って走るのが10000%無理な人なので、ウェアはどんな長丁場であっても一つでいくと決めてます。
(普通の人からすると変な目で見られるからあんまり書かないようにしてましたが、聞かれることが多いのであえて書きます。私はブルベなどの超長距離であっても一切着替は持っていかず、着てる1枚のウェアだけで走り通してます。初めての1000だった中部も岡山1200もウェア1着だけです。そして大会期間中は当然洗濯もしません)
ずっと考えてたらひとついい案が浮かびました。
0℃対応の真冬ジャージで行けばいいのでは!?
真冬ジャージで行った場合、太陽が出ている日中は必ず暑くなる。
大量の汗をかいて、暑い中走り通さなくてはならなくなるというデメリットが発生するわけだ。
しかし、私はどちらかというと暑さは平気で寒さがとにかく苦手。
デメリットを背負ってでも、深夜の冷え込みにどうにか対応できるようにしたい・・・!
どのみち春秋ジャージでいっても真冬ジャージの逆バージョンで日中は快適な代わりに夜はかなり寒くなるというデメリットが出てくる。
だったらもういっそのこと真冬ジャージでいけば全て解決するジャマイカ(笑)
・・・・まあ、そんなわけで今回のウェアは真冬ジャージでいきました。(当日、今大会主催者のかたやまさんに何度も暑くない!?とツッコミをいただきました😅)
雨対策については、4月に入って新たなウェア類を買いました。
今までも一応レインウェア類は持っていたものの、ゴアテックス素材ではないそこまでいいやつではなかったので(上で10000円くらいのやつ)いずれは本気で対応できる装備を用意しないといけないと思い、今回新たに買いました
買ったのはこれ。
・モンベル サイクルレインジャケット
・モンベル サイクルレインニッカ
・モンベル サイクルレインシューズカバー
・モンベル ビニール袋(嘘)
これはスタート直前でレインウェア類を装備した時の写真。
下はニッカなので膝下までしかありません。
なのでビニール袋で対応させてます。
ほんとは完全にすそまで覆えるサイクルレインジャケットを買うつもりだったのですが、「これニッカじゃん!!!」と買ったあとに気づき・・・いやでもよく考えればすそまでがない分コンパクトになるし軽量化になるからまあいいか!と思い、すぐに受け入れることができました(笑)
足は他の方の雨対策ブルベブログを読んで同じことを真似しました。
普通にシューズを履いたら、ビニール袋を履く。
そのビニール袋の上からシューズカバーを履けば完成です。
履いた時点ではクリート穴がありませんが、ビニール袋なのでそのままクリートにはめ込めばクリート部分だけが破れて防水機能を維持したままビニール袋を利用できます。
さらにグローブでは登山界隈でも最強と名高いテムレスを今年1月くらいに用意しました。
BRM429徳島1000kmに備えてテムレス買ったぞ。
— ikaruga@Iさんという名前で動画投稿者やってます (@ikaruga_1735853) 2022年1月24日
初めて使うけど内側ふわふわだしこれは悪天候の気温一桁の下りでも心強そう!! pic.twitter.com/0WVRbFnNoH
非常に優秀な防寒・防水機能でたった2000円くらい?で買えるというとんでもない神アイテム、それがテムレスらしいです。
下手に高いメーカーのグローブ使うよりよほどマシだとかなんとか。
今回は指切りグローブとこのテムレスを持っていき、テムレスは指切りグローブの上から装着して使っていましたがマジでスゴくイイです!!!!!!!!!
本当に寒くなくて快適。ありえへん………。
買ってよかったと思えた最高のグローブです。
これらの雨対策の装備を当日着るか担いで走らなきゃならんわけですが・・・
雨具を持つとなるとまあまあの荷物の量になります。
普通にいけば小さいサドルバッグだけでは積載できないので、大容量サドルバッグを使いますよね。
私もそう思って大容量サドルバッグをつけました。
そしてその大容量サドルバッグをつけて雨が一切降らない晴れの日に雨具を全部積み込んで1000kmの1週間にお試し300kmライドしてきました。
装備はこんな感じの状態。サドルバッグに雨具を詰め込んでます。
ちなみに使ってるサドルバッグはトピークのバックローダー6L。
また、これだけではダンシングの時に揺れが激しくなって消耗が増えるので揺れ防止にWOHOのサドルバッグスタビライザーを一緒につけてます。
この状態で300km走ってみたわけですが・・・
重すぎて無理!!!!!
走れん!!!!
スピードは出ないわ加速は遅いわ疲れはいつもより溜まる一方で・・・・
よくみんなこんな重いのでブルベ走ってるなあ、と思いました。。。
260km走ったあたりからようやく重さに慣れて回し方も少しずつ分かってきたけど、それでも重いもんは重い。本当に進まない。
じゃあいつもの小さいサドルバッグでレインウェア類を積んでいけるようにすればいいじゃないか、と普通はなるのですが・・・今回ばかりはそうもいかないとある事情があるのです。
それは何かというと、コース最後の140km・4000m?アップくらいの区間をノーコンビニで走らないといけないのです。(コースおよびその周辺に一切コンビニがないため。深夜に通過予定なので飲食店もアテにできない、といってもそもそも存在しないけど…)
なのでこの凶悪な区間をクリアするには大量の補給食を持つしか方法はないのです。
そこで大容量サドルバッグならば、余裕で大量の補給食を積むことができるため、できるだけ大容量サドルバッグを使いたい思いがあったわけです。
しかし、大容量サドルバッグは重くて使えない・・・いや使えないことはないけど・・・
進まないのでいつもより大幅に時間がかかることを覚悟し、この重装備で大会に臨むべきか・・・
大会2週間前くらいから、とにかくこの問題を毎日ずーーーっと考えてました。
大容量サドルバッグを使わずに、雨具をフルで持ててなおかつ補給食も大量に持って走れるようになる手段・・・・
!!!!!
上に書いたお試し300kmライドで峠を登ってる最中、ついにひらめきました。
要はたくさんのものを積めるようになればいいんだな!!!
お試し300kmの中で、ひらめいた手段をまずは試してみる。
要はこういうことだ・・・
マジックバンド(ケーブル等を束ねておくマジックテープ)を使って、バイクのあらゆるところに物をくくりつけることができれば、無駄にデカいサドルバッグを使わずとも積載力をアップさせることができる!
マジックバンド自体は超軽量なので、いくら使っても重量増にはならない。
それでいて固定力はかなり強力。うまく工夫して取り付けすれば走行中の振動なんかじゃ落ちることはない。
こうしてほとんどぶっつけ本番の状態でこのスタイルが出来上がりました!!これは徳島1000GFスタート直前のバイクの装備。
サドルバッグは大容量サドルバッグではなくトピークのエアロウェッジパックLサイズです。
このようにしてマジックバンドを使えば大きくないサドルバッグでも積載力をパワーアップさせることができるのです!!!
ちなみにサドルバッグの中身は寒くなったときに着るモンベルの暖かい長袖インナーが1枚入ってます。
また、今スタート前に着ていたレインウェア、レインパンツ、シューズカバー、テムレスは脱いだあとどこに収納するかというと・・・
テムレス、レインウェアは服の中(お腹の部分)、シューズカバーはサドルバッグにマジックバンドでくくり付け、レインパンツは畳んで袋に入れた状態で下の写真の部分にマジックバンドで取り付けします。
シューズカバーとかをくくり付けた写真(帰宅後に撮影)
これで大きくないサドルバッグでも大量の積載が可能となります。(※背中のポケットは補給食、スマホ、財布入れなどで全て既に使用しているためアテにしてません)
このスタイルと大容量サドルバッグを使ったときで比較してみると、、、
大容量サドルバッグが375g
サドルバッグスタビライザーが120g
トピークLサイズバッグが175g
トピークLサイズバッグはマジックバンドを使うことでスタビライザーとして代用することが可能です。
なのでスタビライザーも外すことができ、、、これだけで約320gも軽量化が実現できたわけです。
ついでに今は一切使ってなくて邪魔な荷物でしかないケイデンスセンサーも取り外して12g追加で軽量化。
これで大容量サドルバッグのときよりかなり軽くなり、多少重量はあるものの最低限走れそうなレベルに落ち着きました。
一応参考にマジックバンドの重量を載せておきますが、今回持っていったマジックバンドをすべて集めると合計60gでした。実際はこんなに要らんかったんですけどね(笑)
大量のもじゃもじゃ
あとは今回持っていったもの。これはいつもと同じですが・・・。
・プロテクトJ1
・予備チェーンオイル(ナスカルブ)
・携帯歯磨きセット
・Ankerの10000mhAモバイルバッテリー
・携帯充電器
・携帯シャモアクリーム
これらはフレームバッグに入れていきました。
あとは
・予備チューブ×2
・タイヤブート
・タイヤレバー
・修理パッチ
・携帯ポンプ
・携帯工具
これらをツール缶に入れていきました。
バイクの装備としては・・・
・フレーム Cannondale CAAD12(2017)
・ライト① キャットアイVOLT1600
・ライト② キャットアイGVOLT70
・リアライト② Amazonで買ったリチャージエブルナンチャラ…
・サドル ファブリック セル
・コンポ 基本105で一部アルテグラ(個別で書いてくのめんどくさくて、ゴメンナサイ)
・フロントギア50t*34t
・リアギヤ11-32t
・タイヤ コンチネンタル ウルトラスポーツ3 25C
・ホイール 自作の手組
2020の中部1000とか2021の岡山1200とかもこの装備で走ってます。
25Cタイヤとファブリック セルの組み合わせで乗り心地がめっちゃ良くて快適です。
今回も1000km走って多少は痛くなるけどお尻は全然大丈夫でした。
ホイールは自作の手組。リムで500gもあるからそんなに軽くはないけど、かなりバランスのとれた信頼のある手組ホイールです。前後ともクロスで組んでるのでトラブルにも強いし乗り心地もそれなりに良い。
そして今回のタイムスケジュール。
今回は10:00スタートで200km地点に高知市の町があり宿もある。(ただしコースから5km くらいそれたところ)
620km地点の宇和島市にもちょうどいいホテルがたくさんある。
いつも通りいけば毎日ホテルに一泊して3時間寝て生活リズムを作って走るところですが、200km地点の高知市のホテルは少し遠いから時間ロスが少し大きい。
あと、たまには一切寝ずに600(正確には620)km走ってみようかな?という軽いチャレンジングな気持ちがあったので、今回は620km寝ずにぶっ通しで走り、宇和島市で6時間近く寝てその後ラストの380km(8000mアップくらいあるらしい)を28時間くらいかけて走破するおよそ71時間での完走を目指すプランでいくことにしました。
見やすく書くとこんな感じ。
【事前の計画】
4/29㈮ 10:00スタート
4/30㈯ 20:00宇和島市ホテル到着(620kmを約34時間で走破予定) 22:00就寝
5/1㈰ 4:00起床 5:00スタート
5/2㈪ 9:00ゴール予定(380kmを約28時間で走破予定)
71時間00分で完走予定
実際はどんな感じになったかというと・・
【実際の工程】
4/29㈮ 10:00スタート
4/30㈯ 21:00頃宇和島市ホテル到着(620kmを約35時間で走破) 23:00就寝
5/1㈰ 6:00起床 7:00スタート
5/2㈪ 12:10ゴール予定(380kmを30時間10分で走破)
74時間10分で完走
こんな感じになりました。
後半大幅に予定から遅れておりますが、(嬉しい意味で)色々ありまして、こんなに時間がかかることとなりました。
なにげに人生で初めて「目いっぱい時間を使って完走したブルベ」にもなりました(笑)
いつもは完走タイムを重視するあまり、すべての行動を全力でダッシュで行っていましたが、今回はほんとに初めて確実な完走のために睡眠時間を重視させ、楽しむために時間を使ったブルベでした。
時間内完走する大前提で、こういう走り方をするブルベもたまにはいいかなぁ!とも思いましたよ!(詳細は当日編にて!)
とりあえず今回の準備編は以上。
このあと、かなり続きますー。