山を登りて戻り来よ - ikarugaブログ

坂バカ・ikarugaの自転車日記。山岳ロングや1000km、1200kmブルベが大好きです。2019年からブルベを始めSR認定達成。2020年はThe PEAKS ROUND6 熱海2 ド変態増し9時間30分で時間内完走達成、BRM919 中部1000km 67時間24分で完走達成。2021年はRM424 岡山1200km 85時間34分で完走達成。

RM424 岡山1200【準備編】

2021年4月24日㈯に開催された岡山1200を走ってきたお話です。

結論から言うと85時間34分で完走達成できました!(制限時間90時間)f:id:ikarugasan:20210429135147j:image

今回はその完走に至るまで準備したことをまとめます。

 

 

 

《コース確認について》

毎回ブルベに挑む前にやっている事ですが、キューシートと公開されているRWGを元にグーグルマップの航空写真ですべてのルートを確認しました。

基本的な直進・右左折は普通に航空写真で確認するだけで流していきますが、変わった地形や特殊な形をしている交差点・分岐点では誤ってミスコースしたり迷って止まる可能性があるため、そういった怪しい箇所はストリートビューで曲がる箇所を予習しました。

 

また、サイコンのナビが機能しなくなった場合に備え、グーグルマップのすべての曲がる箇所にピンを打ちました。f:id:ikarugasan:20210419125048j:image全行程1200kmもあり、キューシート上では約300箇所もポイントがあったので超面倒でしたが、事前にやれる事は全てやって備えておく主義なので、コースチェックを怠ることは一切しなかったです。

これによって万が一ミスコースしたとしてもすぐに本来のルートに復帰することができます。…たぶん。

 

結果的には、このグーグルマップへのピン打ちはかなり役に立ちました!!

赤信号で止まった際などにグーグルマップを開き、この先どういうルートだったかその都度すぐに思い出すことができ、複雑なルートなどではスムーズに進んでいくことができました。

また、ルートを事前にストリートビューで確認しておくのもかなり有効でした。

本番では「あーあの景色のとこね!」という感じに曲がる箇所をすぐに思い出せて効率的に駒を進めることができました。

 

・・・・あ、一応言っておくと今回の1200kmはすべて初めて通る道でした。

そもそも岡山県に来ること自体人生で初めての事だったし、全く土地勘の無い道を走るのは不安でいっぱいでしたが、コースを予習したり地名の読み方を調べたり観光地を調べていくうちに自然と不安は楽しみへと変わっていきました。

 

 

 

《走行計画について》

どこで補給するかとか、どこが通過チェックなのかとか、そういうタイムスケジュールも当然立てました。f:id:ikarugasan:20210419125319j:imagef:id:ikarugasan:20210419125209j:image
f:id:ikarugasan:20210419125352j:imagef:id:ikarugasan:20210419125407j:imagef:id:ikarugasan:20210419125419j:image
◎はただのコンビニ補給、★は必須となる通過チェックです。

通過チェックに制限時間と書いてありますが、実際は制限時間ではなくあくまで通過時間の目安だそうです。(制限時間があるのはPCのみであり、当日まで勘違いしていました(^_^;))

基本的に50〜70kmに一回コンビニ休憩を挟む工程にしています。

もちろんコンビニが一切ない箇所もあり(実際に鳥取の大山周辺もルート上にコンビニが一切無かった)そういった場合は最後のコンビニで通常よりもなるべく多く補給し、次のコンビニまでつなぐこととしました。

 

ちなみに事前に立てた計画と実際の工程はどうだったかというと、こんな感じになりました。(スタート・ゴールおよび宿の到着・出発のみです)

【事前に立てた計画】

●4/24㈯4:15スタート→

 4/24㈯21:15到着予定(17時間で353km)

 353km地点 鳥取県倉吉市倉吉シティホテルにて22時就寝予定 仮眠時間3時間

●4/25㈰早朝1:00起床、2:00出発予定→

 4/25㈰深夜23:00到着予定(21時間で354km)

 707km地点 広島県三次市三次ロイヤルホテルにて0時就寝予定 仮眠時間3時間

●4/26㈪早朝3:00起床、4:00出発予定→

 4/27㈫0:00到着予定(20時間で327km)

 1034km地点 広島県尾道市尾道ロイヤルホテルにて1時就寝予定 仮眠時間3時間

●4/27㈫早朝4:00起床、5:00出発予定→

 4/27㈫夕方16:00ゴール予定(11時間で173km)

 1207km地点 岡山県早島町一棟貸し宿いぐさ

これで83時間45分での完走予定。

 

【実際の工程】

●4/24㈯4:15スタート→

 4/24㈯21:15到着(17時間で353km)

 353km地点 鳥取県倉吉市倉吉シティホテルにて22時就寝 仮眠時間3時間

 ここまでピッタリ予定通り。

●4/25㈰早朝1:07起床、2:00頃出発→

 4/26㈪早朝0:00頃到着(22時間で354km)

 707km地点 広島県三次市三次ロイヤルホテルにて1:00頃就寝 仮眠時間3時間

 予定より1時間遅れ。

●4/26㈪早朝4:00頃起床、5:44出発→

 4/27㈫早朝3:40到着(約22時間で327km)

 1034km地点 広島県尾道市尾道ロイヤルホテルにて4:40時就寝 仮眠時間2時間(予定より1時間削った)

 予定より3時間40分遅れ。 

●4/27㈫早朝6:20起床、7:37出発→

 4/27㈫夕方17:49ゴール(10時間12分で173km)

 1207km地点 岡山県早島町一棟貸し宿いぐさ

予定より1時間49分遅れて85時間34分で完走した。

 

3泊の工程にして、1日目3時間・2日目3時間・3日目2時間の計8時間寝ました。

85時間のうち8時間しか寝てないとか、ホント頭おかしい感じがします(^_^;)

しかし毎日(3日目以外)仮眠時間3時間とったことで、日中は睡魔の襲われることがほぼなく快適に走ることができました。

 

3日目のホテル到着時点で予定より大幅に遅れてしまったので、仮眠時間を1時間削りました。

仮眠時間2時間だと日中眠くなる可能性がありましたが、どうせ最終日は太陽の出ている時間帯(夕方頃)にはゴールできる見込みだったし、眠くならないだろうと判断して仮眠時間を1時間削ることにしました。

結果的には起床した瞬間はかなりボーッとしてヤバかったものの、走り出せば目が覚めてきて全然大丈夫でした。

 

ちなみになんでこんな大幅に遅れたのかというと、3日目の夜に大変な事態が起こってしまいまして・・・それはまた3日目の記事の方で詳しく書こうと思います(^_^;)

 

 

 

《装備について》

今回はこの装備で走りました。f:id:ikarugasan:20210429131356j:imageこらそこ1200km走る装備じゃねぇとか言わない!

 

・フロントライトその1 キャットアイ VOLT1600

・フロントライトその2 キャットアイ GVOLT70

リアライトその1 キャットアイ ラピッドミニ

リアライトその2 キャットアイ ラピッドミニ

・ベル knog

輪行袋

・ボトル1本

・フレームバッグ

トップチューブバッグ

・前後フェンダーは未取付。

・フレーム Cannondale CAAD12

・ホイール 自作手組ホイール 斑鳩4号

・タイヤ コンチネンタル ウルトラスポーツ3 25C

・サドル下からちょっと後ろに出てる白いヤツはゼッケンプレート

・サドル ファブリック セル

・ハンドル TNIカーボンシャローハンドル

 

フレームバックの中身はこれ。f:id:ikarugasan:20210429135508j:image…上の写真のものは実は常時入れっぱなしで、今回追加で入れていったのが下の写真のもの。f:id:ikarugasan:20210429135554j:image

そしてトップチューブバッグの中身も一応残しておく。…残しておくが、こちらも常時入れっぱなしだから別に普段と変わらない。f:id:ikarugasan:20210429135650j:image

 

コンセプトはもちろん軽量特化

今回は奇跡的に4日間フルで晴れの予報となり、雨具は一切不要だったためフェンダーもレインウェアも一切持っていかなかった。

なのでその分軽量にすることができました。

ちなみに今回の天気予報。f:id:ikarugasan:20210429140954j:image代表地点で倉敷市としていますが、走るコースの各地点の予報はだいたいどこも同じ感じでした。

 

なぜ軽量にするのかと言われれば、言うまでもありませんが山を早く走るためだったり、総重量を軽くすることで自転車を走らせるための必要なエネルギー量を節約できたりと、長距離を走る上ではメリットしかないからです。

簡単にいうと楽に走ることができれば結果的に疲れにくくなるという話。

結果的には軽量に特化したおかげで圧倒的に山を早く楽に走ることができたし、全体の工程で見ても本当に楽に走れた。

特に重装備の他の参加者と一緒に坂を登る際などでは軽量特化した効果が顕著に現れ、自分は全然負荷をかけて踏んでいないにも関わらず、他の参加者から「早いよ!」とか「もうちょっと落とそうよ!」とかよく言われておりました(^_^;)

重いものを動かすには必要なエネルギー量が増えるため、登坂時においては特にその差が顕著に出るんだと思います。

 

あとよく言われるのですが、装備を削って軽くした場合、何かトラブルがあった時に困らない?という話について、想定されるトラブルに対応できるよう最低限の工具は持っているのでそこは問題ないと個人的に思っています。

万が一に備えて輪行袋もあるし、走行不能に陥るようなトラブルが起きる際はだいたい落車した場合がほとんどになるので、落車にだけは最大限の注意を払っていつも安全第一で走行しています。

 

去年の中部1000の時はバッテリー関係で大失敗してしまい、サイコンのログがまともに取れなかったり、スマホのバッテリー切れに陥ったりと散々な目に遭いました。

その反省で今回はしっかり小型充電器を持参し、どこでモバイルバッテリーを使用してどこで何を充電をするかというのを決めていきました。

具体的には、走行中の後半はモバイルバッテリーを使用してサイコンを充電しながらホテルまで走り、ホテルについたら二口充電器を使ってスマホとサイコンを充電。

次の日起きたら出発までの短時間でモバイルバッテリーを充電し、出発したら最初のコンビニにつくまでの間にGPS発信機をモバイルバッテリーで充電しておき、あとは同じことの繰り返しを行いました。

そのおかげで最後までログを記録することができ、素晴らしい走行軌跡を残すことができました😆f:id:ikarugasan:20210429142831j:image元々はナビをしていた関係で5つのログに分割されていたのですが、FIT File Toolsというものを使って超簡単に一つのFITファイルに合体させることができました♪

ちゃんとセグメントも残っているので、全く問題なくできたと思っています。

ちなみに今治から松山までのルートが一部直線でおかしくなってますが、サイコンがフリーズしていたことが原因と思われます。

フリーズを解除するためにボタン押してたら誤ってログが保存されちゃって余計なログが一つ増えたのですが、最終的にはちゃんと合体できたので特に気になりませんでした。

 

服装としてはこんな感じ。

・R-250 反射ベスト

・頭に汗たれ防止バンド装備

・インナーウェア

・15℃用春秋用ウェア

・アームウォーマー

・10℃用春秋用レーパン

・超長距離用専用ソックス

・指切りグローブ(寒い時用にフルフィンガーグローブもバッグに忍ばせてある)

・ウインドブレーカー

・ネックウォーマー

・シューズな最近新しく買ったシマノRC9ではなく古い方のシューズ

大体23℃/10℃くらいなので春秋用装備でちょうどと判断。

ただ、3日目の早朝がかなり冷え込む予報なので、そこは重要ポイントになるような気はしていた・・・ら、本当にかなり寒かった(-_-;)

おまけに3日目の夜もかなり冷えて、走れないことはなかったものの非常に辛い時間帯が続きました。。。orz

ウィンドブレーカー&フルフィンガーグローブがなかったら即死だったぞ・・・。

シューズは12月くらいに新しく買ったハイエンドモデルのRC9ではなく今まで使っていたシューズでいくことにしました。

2月くらいにRC9で敦賀まで往復270kmくらいのライドをした際、シューズの裏が固すぎてたった270km走っただけなのに足裏が痛くなったため、履き慣れた今まで使ってたシューズで1200kmを走ることにしました。

結果的にはやはり終始快適に走ることができ、足の痛みは一切ありませんでした。

 

 

今回はパーツ類を1、2週間前にほぼすべて新品に交換してきています。

完走の可能性を少しでも上げるため、少しでも走りを快適にするために各パーツを新品の状態にして挑みました。

ワイヤー類は初期伸びがあるからそれを考慮して2週間前に交換。他は適当に1週間前に交換した。

たまに「ブルベの走行中はワイヤー切れが起こることもあるから予備ワイヤーも持ってた方がいい」という話を聞きますが、そもそも新品に交換しておけばそんな心配はないし、予備ワイヤーを持つだけ無駄な重量増となるので個人的にはそういうのはあまり意味のない事のように感じてます。

 

そしてそして、今回の一番の重要ポイント・・・!!

中部1000で2日目以降完全にケツが崩壊し、これは乗り心地を改善しないとホントに走れたもんじゃない…!!と感じ、去年12月に乗り心地を少しでも良くするため、ワイドリムで新しい手組ホイールを組むことにしました。

そのワイドリムを使った手組に25Cのタイヤを履かせ、空気圧約7.2barにして今回出走してみましたが・・・・

大成功でした!!!!

乗り心地が大幅に改善されたことで、ケツが全然痛くならず快適に1200km走れることができました。

とはいえ、さすがに700kmを過ぎた3日目以降はジワジワと痛みが出始め、1020kmを超えた4日目以降は中部1000の2日目と同じくらい痛くなりましたが・・・それでも乗り心地が大幅に改善されたことで快適に走れたのは間違いありません。

 

どれだけ乗り心地が改善されたのか、中部1000と比較してみます。

中部1000の時は2泊3日の工程でしたが、1日目に370km走って2日目を走り始めようとした際、あまりの痛みにまともにサドルに座れませんでした。(2日目にしていきなり「無」を発動せざるを得なかった)

それに対して今回の岡山1200では、350km走って2日目を走り始めようとした際、ケツは全然へっちゃらのようで余裕でサドルに乗っかることができました。

700km走って3日目を迎え、走り出した時でようやく中部1000の2日目と同じくらいの痛みになりました。それでもまだ「無」を発動するには至らず、ケツは全然大丈夫でした。

1020km走って4日目を迎えたらさすがに「無」を発動せざるを得ませんでしたが、それでも路面からの衝撃が優しいおかげでそれほど苦痛を感じることなく座り続けることができました。

正直ここまで乗り心地が良くなったことでケツが痛くならなくなるとは思いませんでした。

ケツの痛みに悩んでいる方、乗り心地を改善させるともしかしたら良くなるかもしれません。

 

あと、中部1000の時はケツが痛すぎてケツをかばうようにペダリングしていたせいで、おかしなペダリングとなってしまい膝を完全にぶっ壊していましたが、今回はそんなこともなく快適に走ることができました。

ワイドリムほんとすごい・・・。

 

 

 

準備編は以上。

いよいよ次回から当日編になります。

 

 

 

・・・岡山1200を走りきって素直な感想を書いてもいいですか。

中部1000の時よりも圧倒的に楽だった。

ゴールしてもまだまだ余裕があったし、更に長い距離を走れる気力・体力が残っていました。

これにはさっき書いた乗り心地が良くなったのもあるだろうし、軽量な装備だったことで疲れが残りにくい状態だったり、ホテルでしっかり毎日休んでいたおかげなんだと個人的に思いました。

人は体内時計を持っており、この時間帯に寝てこの時間帯に活動するというのがある程度決まっている。

それが今回の走り方にぴったりとはまり、日中は300km超えの長い工程ではあったものの、深夜の時間帯はしっかりホテルで睡眠を取れていたので毎日確実に体力を回復させて連日走る事ができていたのだと思います。

1000km超えのブルベでのホテル作戦、今後もやっていこうと思います。

(600km以下?あぁそれなら短期決戦だから今後もホテルは取らないよ!)