山を登りて戻り来よ - ikarugaブログ

坂バカ・ikarugaの自転車日記。山岳ロングや1000km、1200kmブルベが大好きです。2019年からブルベを始めSR認定達成。2020年はThe PEAKS ROUND6 熱海2 ド変態増し9時間30分で時間内完走達成、BRM919 中部1000km 67時間24分で完走達成。2021年はRM424 岡山1200km 85時間34分で完走達成。

The PEAKS ROUND6 熱海2 当日編2/2【サウスルート】

ド変態コース ノースルートからの続きになります。

 

かんぽの宿〜頼朝の一杯水】

13:30ジャストにかんぽの宿へ到着し、通過チェックを受けたら速攻で出発してリンさんと共にサウスルートスタート!!

ド変態トップと思われる黒と緑のジャージの方もほぼ同じタイミングでのスタートだったので、すぐ目の前を走っていました。

…が、なかなかにペースが早く、心拍を上げれば付いていけない事もなかったけれど、付いていくのは結構しんどかったのでそのまま見送ることにしました。

 

サウスルートに入り、あと4時間以内に57km・1971mアップを走りきれれば時間内完走達成ということになる。

リンさんは絶対余裕でいけるでしょと言うが、それは多分違うと個人的には感じていた……。

なぜなら普段のフレッシュな状態ならば余裕で行けるだろうが、今はノースルートでのダメージが蓄積しており、どれだけペースダウンするかが未知数だったからだ…(-_-;)

あまりにも踏めないせいでペースが落ち、亀石峠15:30の関門時間や最終の制限時間に間に合わなくなる可能性もあるし、自分としては正直未だに余裕がない状況だと思っている。

だけどここまで来たらもうやるしかない。

ゴールに間に合うか分からないけど、このまま行けばなんとか間に合いそうな気がするのも事実。

さぁ、ここからリンさんと共に後半戦も絶対に走りきってやるぞ!!

 

まずは次のチェックである頼朝の一杯水を目指して道なりに走る。

3年前はここで前を走る2人に何も考えずついていってしまい、熱海城のふもとまで下って盛大にミスコースしてしまいました。

その痛々しい記憶は今も自分とリンさんにはしっかりと残っているようで、ちょうど曲がる道路付近にて「熱海城まで下りますか!」のジョークが飛び交う(^_^;)

「絶対に下りません!!」と返し、当然ミスコースすることなくルート通り走行。

 

そして通過チェックである「頼朝の一杯水」へ到着。

ここでスタッフの方から「ド変態いま2番手だよ!」と教えてもらう。

ということは、やはりさっきの黒と緑のジャージの方がド変態コースの先頭だったようだ。

 

【頼朝の一杯水〜山伏峠】

チェックを受けたら当然速攻で再スタートし、下りに差し掛かる。

リンさんはトップを追いかけるつもりなのか、スピードが増しているような気がする。

自分はノースルートでのダメージが響いており、ちょっとペースを上げられそうも無かったので「あとは任せた〜!!」と言い残し、リンさんとの差が少しずつ開いていった。

 

そのまま急勾配区間に突入し、正面にリンさんが見えるくらいの位置をキープしつつダウンヒル

狭い市街地区間まで下り、ルート通り交差点を曲がっていく。

このあたりは曲がる箇所がとても分かりづらそうだなと感じていたので、事前にグーグルストリートビューで完璧に予習してきており、どこで曲がるかは景色を見ただけですぐに分かるようにしてきている。

なので一切迷うことなくスムーズに進むことができた。

 

…が、ここに来て胃袋に不快感が……(-_-;)

これはちょっと胃もたれしているなぁ・・・。

このあともキツい坂が待ち構えているだろうし、ここは胃薬を飲んで回復すべきだ・・・・。

ということで本日2つ目の胃薬を服用(^_^;)

服用中にちょっとリンさんとの距離が開いたが、赤信号でなんとか追いつくことができた。

 

その後、海沿いの道(R135)に出て今大会初めてとなる平坦が登場!!

しかし、すぐに登り坂に差し掛かるので残念ながらこの平坦は一瞬で終わります(^_^;)

たぶん1kmも走ってないところで平坦が終了し、狭い市街地に入って激坂区間に突入していきます。

 

と、ここに来てインナーローにするとゴリゴリ鳴るメカトラが発生!!

 

うあぁーーー!!なんでこのタイミングで!!

めっちゃゴリゴリ鳴るけどチェーンは回ってるからインナーローが使えないことはない。

でも、このまま使い続けると絶対に機材に悪影響を与える。

最悪の場合は走行不能に陥る事も考えられる。

それだけはなんとしてでも避けるため、ローから2番目以降だけを使うことにした。

幸いにもローから2番目以降ならゴリゴリ鳴らないので、とりあえず2番目の28tで激坂(15%前後あったかな?)を登っていく。

そもそも踏める足がもう無くてギヤ比も重いから、全然登れない……(-_-;)

リンさんはさすがの登坂力で、軽々登っていく。自分より体重軽いしね(^_^;)

 

そのままリンさんに大きく引き離され、全くペースを上げられないまま惰性で激坂を登る。

まずい……このままインナーローの32tが使えないと、この先まだまだ激坂が出てくるだろうし、本当にマズい事になるぞ……。

 

仕方ない、ここは一旦止まって直す事に集中しよう。

とりあえず勾配が一瞬緩んだところで停車し、速やかにツールボトルから六角レンチを取り出してリアディレイラーのとあるボルトを回す。

 

実はこのゴリゴリ鳴る現象、すでに目星は付いている。

実を言うとピークス2日前に雨沢TTで最終調整を走った日にも全く同じ現象が起きていた。

どういう事象かというと、リアディレイラー(シマノRD-R7000)にはガイドプーリーとスプロケットの間隔を調整するBテンションボルトというものが付いているのだが、どういうわけかこれが段差などの衝撃?で勝手に緩み方向か締まる方向かどっちかに動いてしまい(どっちだったかは忘れた)、自然にガイドプーリーとスプロケットの間隔が狭まってインナーローの状態にて完全にスプロケットの歯とガイドプーリーの歯が密着し、ゴリゴリいうようになってしまうのである。

なのでBテンションボルトをどっちかに回して(どっちだったかは忘れた)ガイドプーリーをスプロケットから遠ざけるだけでこの不具合は解消される。

 

これを行い、無事インナーローが復活!

スピーディに対処を済ませ、急いでリンさんを追いかける。

道幅の広い県道80号線に出てどんどん登っていくが、勾配がずっと10%近くあって半端なくキツい。

正直この山伏峠の道は迷うポイントがあんまり無かったことから、ほとんど予習をしていなかった。

なので、こんな激坂があったなんて想定外でして……完全にしてやられましたorz

しかもここに来て水が完全に尽きてしまい、さらにおまけと言わんばかりにずっと晴れ間が続いていて、日差しがかなり暑い。

かんぽの宿に着いた時点では水が半分くらいあったので、山伏峠で補充すればいいとばかり思っていたのだが・・・少し考えが甘かったようだ…。

 

暑くて汗もすごいし、もしかしてこのまま熱中症でDNFになってしまうのかな…なんて負の考えも脳裏をよぎり始める。

もしこのまま亀石峠の関門時間15:30に間に合わなかったらどうしよう…。

ノースルートの大観山を登ってる時みたいに、マイナスな事ばかり頭に浮かんでくる。

いや、だからといってここで諦めちゃいけない。

ノースルートを全力で走ってきたことで30分くらいはマージンがあるはずだし、このまま行けばなんとか亀石峠の関門時間15:30には間に合いそうなのだから、今ここで絶対にへこたれてはいけない!!

とりあえずいま手元に水は無くとも、補給食はたっぷりとあるので、箱根峠エイドで背中に忍ばせておいたエネルギーゼリーを飲んでなんとか水不足をごまかしながら登っていく。

 

踏む足がない中、ずっと10%超えの激坂を登り続ける。

すると前方にリンさんの姿が見え始める。

まさか、またリンさんに追いつき始めたというのか…!?

さきほどエネルギーゼリーを摂取したこともあってか、少しずつパワーが出るようになってきて、さっきよりもペースを上げて全力で追いかける。

もうホントに写真を撮る余裕など一切ないはずなのに、なぜか山伏峠の途中にある橋の上で撮った写真↓(14:26)f:id:ikarugasan:20200908182101j:image

そしてエイドに設置してあるピークスの旗が見えてきたところで、少しでも早く補給するためさらにペースを上げ爆走。

本当にギリギリの状態だったが、一気に追い上げて差を縮め、エイドに着くのと同時のタイミングでなんとまさかのリンさんに追いつく!(笑)

 

ヤバい!!もうダメージがヤバすぎる!!

キツすぎて倒れそうになるが、なんとかこらえて補給することに専念する。

小さい缶のリアルゴールドを1缶貰い、この日初となる炭酸飲料を摂取。それだけ疲れがヤバかった…。

疲れ果てていても最速で補給を済ます事は当然忘れてはおらず、バナナやオレンジを高速で食べ、補給時間の差でリンさんを追い抜き、負けるものかァァァ!!!という意地と気合だけで速攻でエイドをスタート!!

 

【山伏峠〜亀石峠】

エイドから山伏峠頂上までは水平距離で数百メートルくらいあったが、登ってたらすぐに頂上に着き、下り始めることができた。

ようやく下りだ・・・。

さっきまでは本当にヤバかったけど、ここからはいつも通り足を復活させてまた爆走してやる!!

そういうわけで心拍を落としつつ、ずっと足を伸ばしてストレッチしながら下る。

そんな事をやっていたら後ろからリンさんが当然のように追いついてくる!

なんだか毎回追いつき追いつかれをやっていて、謎の安心感を感じた…(^_^;)(あ~いるいるみたいな(笑))

 

さっきまで路面がずっとドライだったのに、山伏峠の下りに入ってからは急にウェットへと変化した。

雨全然降ってないのに、なんでだ……?何か嫌な予感がする…(-_-;)

 

山伏峠を下りきって、亀石峠に向けて平坦と緩い坂を走る。

足は下り区間と補給のおかげですっかり回復したので、再びペースを上げて爆走していく。

とりあえずこのまま行けば亀石峠の15:30の関門時間には(何事もなければ)普通に間に合いそうなので一安心。

それでもマージンが30分くらいしかなく、余裕が無いのは事実なので、容赦なくかっ飛ばしていく。

 

亀石峠に突入してからも、心拍162bpmくらいで爆走。いや、爆登り。

ノースルートの時よりもだいぶ心拍が低いですが、負荷をかけ過ぎてもうこれ以上上がらなくなっているのです(^_^;)

そして流石にこのあたりまで来るとノースルートからスタートした一般枠の参加者がたくさん前を走っていて、追い抜くことが多くなりました。

 

気がついたらリンさんが後ろに着いてきておらず、ずっと一人旅になっていました。

最後に見たのは、亀石峠に入る手前らへん?だったような…(-_-;)

 

こうして亀石峠到着!

通過チェックを受け、バナナやクーのみかんを飲食してエネルギーゼリーを背中に入れます。

ここらでなんとなく気づいたのですが、さっきからエイドでの補給の仕方がバナナ食ってエネルギーゼリーを背中に入れて出発というワンパターンになってきた気がします(^_^;)

補給してるとリンさんも追いついてきました。謎の安心感。

 

ここで本日スタートしてから2回目の小便をしました。

ここまでずっと高負荷で走って尿道を圧迫してきたせいなのか、おしっこした瞬間青ざめそうになる痛みが走った・・・・(・_・;)

ゴールまではあと少しなんだ・・・

なんとかもってくれ!!オラの体!!

 

【亀石峠〜セブンイレブン伊東宇佐美店〜亀石峠】

ここもリンさんより先に出発。

3年前にも通った道をダイナミックに下ります。

次に登り返す時のために下り区間ではひたすら足を伸ばしてストレッチします。

スピードもゆっくりになるので、後ろから別の参加者が追いついてきたらどんどん先を譲っていきます。

ここで一般枠で参加中のshiさんとすれ違いました!

ジャージですぐに分かったので、手を上げエールを送る!

お互いあと少し!頑張りましょう!!

 

そして峠をかなり下ったあたりから、天候に異変が・・・

 

ドッシャアアアアアアア!!!!!

 

なんと、ここに来て土砂降りです!(^_^;)

下りでスピードが出ていたことと、雨粒が大きすぎることにより顔面に石のつぶてを食らっているような感覚があり、めっちゃ痛いです。

かもたまたまアイウェアをしておらず(というかスタートしてから一度もかけていない(笑)理由は曇るからである…)土砂降りのダウンヒルの中アイウェアをかけるなど危険すぎてできるはずもなかったので、仕方なくそのままの状態で下りました。

目にも強烈な勢いの雨が入ってきて、マジで目が開けられませんでした(^_^;)

片目だけ、それもめっちゃ薄目でギリギリ目が開けられるような感じで、前方を全然見ることができません…。

しかし当然こんなところでコケる訳にはいかないので、なるべく速度を落として安全に真っ直ぐ下り、土砂降りの中左手にあるセブンイレブンを必死に探しました。

早くセブンイレブン出てこいー!!

 

そして高架下を越え、ようやくセブンイレブン伊東宇佐美店へ到着!!

うぉ、みんなめっちゃ雨宿りしてますなぁ…。

そりゃこんな土砂降りの中普通は走らないですからね…。

もちろん自分も雨が止むまでここで雨宿り・・・

する訳ないだろがァァァァァァ!!!!

1分1秒も無駄にできないド変態コースにとって、雨宿りの「あ」の字もありません。

なのでセブンイレブンに着いたらグミ1個だけ買ってレシートを入手したら、何も補給せずに速攻で土砂降りの中を出発する!!!(ワレナガラアタマオカシィ(^_^;))

 

そして亀石峠の登り返しがスタート。

半端ないくらいの大雨。f:id:ikarugasan:20200909064356j:image

完全に全身ずぶ濡れ。

水を吸いまくったパンツがサドルの上で変な感触をしている…(-_-;)

 

ここも全開で登っていく・・・つもりだったが最初はあまり力が入らなかった…。

なかなかペースが上がらない状態が続いたが、中盤あたりから勢いを取り戻し、高強度でヒルクライム

そういえばリンさんの姿を全然見てないなぁ。。。

たぶん途中ですれ違っているのだろうが、大雨のせいでどこにいるのか全く分からなかった。

 

大雨はすぐに止むと思ったが全然そんな事はなく、ずーーっと降り続いていた。

峠道も凄まじい雨量によってほとんどの場所が川になっており、車が通るだけでジョワァーと波が発生する。

時折でかい水溜まりもあって、漫画でよくある車に水をぶっかけられるシーンもちょっとだけあった…(笑)(^_^;)

 

後半からはカロリーが切れ始めたのでエネルギーゼリーを飲んでパワーチャージ。

ゼリーなのですぐにエネルギーへと変わり、再び勢いを取り戻してとばしていく。

 

こうして亀石峠エイドに再び到着。

とりあえず全く同じものを補給し、エネルギーゼリーを背中に入れてまた急いで出発。

そろそろリンさんも追いついてくると思ったが、なぜか追いついてこなかった…(-_-;) (謎の不安感)

 

【亀石峠〜山伏峠】

土砂降りは全然止むことなく、エイドを出発してからもまだ降り続いていた。

もう20分以上この大雨が降り続いている気がする…ヤバい(^_^;)

亀石峠からの下りではずぶ濡れになった体とエイドで止まって心拍が下がっていたことから、そこそこの寒さに襲われました。

ちょっとこの寒さはヤバいと感じたので、この日初となるウィンドブレーカーを着用。

ちなみにこのウィンドブレーカーは背中のウェアの中に入れてきています。

背中の3つあるポケットじゃなくて、ウェアの背中部分に入れてます。

なので私の背中がラクダのコブのようにもっこりしていたのはそういう理由です。(生まれつきじゃありませんよ?)

 

ウィンドブレーカーを着ていたら黄色のジャージの方が圧倒的スピードで下っていった。

あの人はもしや、スタート前に会場で喋ったド変態の方…!?

自分も急いで追いかける。

 

亀石峠を下りきったあたりでようやく大雨が止んでくれた。

少し走って山伏峠の登りに差し掛かり、また暑くなるだろうということでウィンドブレーカーを脱いで背中のウェアの中にしまい、ヒルクライム開始。

 

ここも高強度で登る。

でももう尋常じゃないくらい足が重いし、心拍も上がらない。

とにかくキツいけど、この山伏峠を登ればあと残ってる登りはほぼ「頼朝の一杯水」の手前にある激坂だけとなる。

あと少し・・・あと少し頑張るんだ・・・!!

そう自分に言い聞かせ、とにかく今出せるだけのパワーを出して、息も激しくなりながら全開で登っていく。

次々と前を走る参加者をパスし、頂上を目指して走っていると、前方に黄色いジャージの方を発見した。

追い抜き際に声をかけてみたら、やっぱりスタート前で喋ったド変態の方でした!^_^

そのまま一緒に山伏峠をクリアし、最後のエイドへ。

 

もうここからゴールまではたったの12kmしかない。

ただし、最後の最後ですごい激坂が待ち受けているが・・・。

時刻はちょうど16:30。(ゴール締め切りは17:30まで)

あと1時間もあれば、たとえ激坂があったとしてももうほぼ間違いなくゴールに間に合う……と思われる。

黄色のジャージの方とここまで来たらゴールは間に合いそうですね的な会話をし、最後の激坂に備えて小さい缶のリアルゴールド2本を2人で一気に飲み干す。

その後、坂で追いつかれるだろうから先に行きますと言い残し、黄色ジャージの方は先に行ってしまわれた。

そうは言いますが…もう追いつくのは無理です(-_-;)

私ももう限界なんです…(^_^;)

 

ここが最後のエイドということもあり、私の方は小さい缶のリアルゴールドをさらにもう一本追加で飲み干し、リアルゴールドトリプルで一気にカタをつける作戦に出る。

炭酸飲料は飲むと乳酸が除去され、足が軽くなるのだが、その代償として胃袋に大きなダメージが入る。

そのため、ここぞという時にしか飲まないようにしているのだが・・・

今がまさにその時!!

ゴールまでは残り12kmだ!ゴールさえできれば、胃袋はどうなってしまっても構わない!!

さぁ、これが最後の戦いだ!!!!

 

こうして最後のエイドである山伏峠を出発。

 

【山伏峠〜かんぽの宿

大雨は止んだが、降った雨によって路面は完全にウェットとなっている、

行きの時に登ったずっと10%超えが続く激坂も、細心の注意を払って下る。

途中で左の細い道に入るところも完全に予習済みなので、流れるように曲がっていけた。

 

そして15%超え?くらいのものすごい急勾配が続く住宅街区間へ突入。

勾配が物凄くキツいだけでなく、そこへ路面が完全にウェットになっているという最悪の条件が重なって、ブレーキを全力で握っても全然減速しない。

でももうこれ以上バイクを減速させる手段が他にないから、バイクを信じてひたすら全力でブレーキを握るしかない。

グレーチング部分では真っ直ぐ下っているというのに普通に滑る。

それくらい勾配がキツいということなのだろうか。。。もう意味わからん(-_-;)

 

そして無事急勾配区間を終え、海沿いの道に出る。

このあたりからようやくゴールが制限時間内に間に合いそうな感じで、余裕が少し出てきたということもあり、この日初めてとなるアクションカムを起動させる(^_^;)

実を言うとアクションカムで録画してたせいで時間内完走が達成できなかった・・・なんてことになるのが絶対に嫌で、走ってる最中に録画ボタンを押す余裕も無かったことから、ずっとアクションカムを起動させずに装備だけしたまま走っていました…(-_-;)

でも、ここまで来たらもうその心配は多分いらなさそう…。

せっかくアクションカムを装備してきているのだから、ここから激坂を登ってゴールする瞬間までの間をノンストップで録画しておく事にしました。

 

そんな感じで海沿いの道を走って、また狭い市街地区間に入ります。

帰りも曲がる箇所は予習済みなのでスムーズに進んでいけました。

 

よし!このまま坂を登って激坂区間に突入だ!!f:id:ikarugasan:20200909170625j:image

山伏峠で飲んだリアルゴールドトリプルの炭酸効果によって、一時的に足が軽くなっているはず!

この状態で残された力をすべて使い、激坂を全力で登って一気に決着をつけてやる!!!

 

うおおおおおぉぉぉぉ!!!!

 

・・・・・・・・・・

 

なん・・・だと・・・・!?

 

足に力が・・・入らない。

 

ここまでの疲れが凄すぎて、いつものように力が発揮できないのだ。

 

そんな・・・バカな・・・

 

あまりにもダメージを負いすぎて、炭酸飲料を飲んだにも関わらず足が復活しなかったのだろうか…。

もしくはリアルゴールドを飲んでから時間があまり経っておらず、まだ効果が現れてなかったのだろうか…。

だが炭酸飲料は即効性があって、いつもなら飲んですぐに足が軽くなってくれるはず…。

それともリアルゴールドではそもそも効き目が薄かったのか?

もしそうだったとしたら、やはり普段から愛用しているダイドーエナジージムを飲むべきだったか……(-_-;)

 

なんにせよ、このままでは必殺技である最後の追い込みが封じられてしまった。

まずい、これは非常にまずい……キツすぎて全然登れない。f:id:ikarugasan:20200909171002j:imageだが無慈悲にも容赦なく17%くらいの急勾配が襲いかかる。

速度も5km/hとか6km/hくらいしか出ない…。

腰、股関節、大腿部、全てが疲弊しきって力が出ない…。

あまりにも遅すぎて、このまま制限時間に間に合わなくなるんじゃないかと本気で思った。

残りの距離は約6km程度だが、時刻は既に16:40くらいを回っていて、制限時間までは残り50分を切っていて本当に焦る。

ここまで来て制限時間に間に合わない……??

そんなのは・・・絶対に嫌だ!!

今はとにかく可能な限り、頑張って急勾配を踏み続ける。

 

ひたすら急勾配に耐え続けていると、昨日車で下見をした際の見慣れた景色が出てきて、ゴールまであと少しだという事が分かってくる。f:id:ikarugasan:20200909174227j:image

遅いながらもこのまま急勾配に耐え続けていれば、ちゃんと前へ進んで激坂を登っていけるようだ!

少しずつゴールへ向かって進んでいけている事が分かると、徐々に闘志が上がっていき、パワーも先ほどより発揮できるようになっていった。

 

こんなところで・・・・・・

負けられないんだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!f:id:ikarugasan:20200909195710j:image

既に限界突破した大臀筋を酷使し、1回転して登る激坂を瞬間的にだが猛烈なペースで登る。

だが、疲れ切った筋肉を酷使した時の反動は凄まじく、すぐに尋常ではない疲れとダメージによって本気で止まりかけそうになる。

しかし激坂はまだ終わっていない・・・。

絶対に登り切ってやるという闘争心だけで止まりかけたバイクと体を動かし、再びペースを上げて全力でヒルクライム!!

絶対に……絶対に登り切ってやるんだぁぁぁぁーーーっっっ!!!!f:id:ikarugasan:20200909182124j:image

前を走る参加者を次々とパスし、残された力を振り絞って全力でヒルクライム

 

そして息絶え絶えの中登っていると、ようやく最終通過チェックの「頼朝の一杯水」に到着し、最後のチェックを受ける。f:id:ikarugasan:20200909174251j:image

時刻は16:50くらい。

あとはゴールまでほとんど下りなので、制限時間内のゴールはもうほぼ確実と言っていいだろう。

 

「頼朝の一杯水」を出発し、ゴールを目指して走るが、ここまでの「制限時間に間に合うか分からないという不安感」から一気に開放され、「間違いなく制限時間に間に合うという確信」へと変わって物凄い安堵感が出てきました。

そして「制限時間に間に合うかどうか分からないけど、とにかく制限時間内にゴールするためにずっと全開で走ってきた」という努力が報われ、ここだけの話…下りの途中で本気で涙を流しそうになりました。

涙腺がジワッと来たけど、泣くのはまた今度に取っておこうと思い、結局涙はこらえることにしました。

 

あぁ・・・本当にゴールに間に合うのだな・・・。f:id:ikarugasan:20200909174321j:image

先の見えない悪夢から開放されたような気分で、青空もそれを祝福するかのように広がっていました。f:id:ikarugasan:20200909174339j:image

最後の坂も普通に登って、下りも普通に安全にこなし、スタートした場所が見えてきました。f:id:ikarugasan:20200909174353j:image

そして・・・・・ついに・・・・・f:id:ikarugasan:20200909174406j:image

ゴーーーーーーーール!!!!!(17:00)f:id:ikarugasan:20200909174427j:image

やったー!!

涙が出ることは無かったけど、素直に嬉しい!!

 

ゴールしたら通過チェック、レシートを見せ、無事ド変態コース完走認定を受けました!f:id:ikarugasan:20200909174445j:image

ちなみにゴールは17:00ジャストだったので、制限時間10時間に対し、たったの30分だけマージンを残した9時間30分での完走でした。

ここまで全力で走ってマージンがたったの30分しか無かったとか、本当に難易度がエグすぎます(^_^;)

もし途中でパンクでもしてたら精神状態がおかしくなってたレベルだ…(-_-;)

 

認定時に着順を聞くと、ド変態の中では4番手だったとのこと。

完走するだけでもヤバいのに、それなりの結果だったので私としてはとても満足しています!

 

山伏峠で一緒だった黄色いジャージの方も先にゴールしていて、お互い無事時間内完走できたことを讃え合い、とにかく辛かったという話で盛り上がります。f:id:ikarugasan:20200909174457j:image

話をしていたら、後方で気づかぬ間にリンさんもゴール!!!

亀石峠以降一切姿を見ていなかったので少し心配でしたが、全くの杞憂だったようです。さすがはリンさん!!

ちなみにリンさんがちょうど自分の後ろでド変態5番手でのゴールだったみたいです。

 

ゴール後は記念の写真撮影!f:id:ikarugasan:20200909174524j:image無事フィニッシャーに輝くことかできました!!

 

Twitterでもたくさんのいいねやお祝いコメントをいただけました。ありがとうございます!!

(実は2020.8.26からTwitterをこっそり始めました!(笑))

 

その後、自分の20分くらい前にゴールしていたという一般枠参加のshiさんとも無事合流!

結局途中で捕まえることはできませんでした(^_^;)

しかしド変態トップの方でも自分の10分前くらいのゴールだったそうなので、ド変態コースからshiさんを捕まえる事は実質不可能だったみたいです…(笑)

 

当然時間内完走達成者にしか書くことの許されないフィニッシャーボードにも一言書いていきました。f:id:ikarugasan:20200909205029j:image

左に同じ!!!!f:id:ikarugasan:20200909205050j:image

 

制限時間の17:30が過ぎ、会場での盛り上がりムードをしばらくの間みんなで楽しみました。

 

あとからスタッフさんに話を聞いたところ、ド変態コースでは19人が出走して9人しか時間内完走できなかったそうです。

つまり完走率は47%…ヤバすぎる(-_-;)

(9/13追記) 公式サイトにて正式な完走率が発表されたのでこちらにもお借りしたものを載せさせていただきます。f:id:ikarugasan:20200913121329j:imagef:id:ikarugasan:20200913121339j:image(ド変態サウススタートのみと書いてありますがノーススタートのみの間違いです。公式サイトでは既に修正済みとなってます。)

全体的に完走率低めです。

一般枠が一番意外でした。

もっと高いと思ってましたが、全然そんなことはなかった(^_^;)

 

 

その後はリンさんとお別れし、shiさんと共に再び降り出した雨の中ホテルへと自走で帰って翌日一緒に車で帰りました。

shiさん、車を出していただき本当に助かりました。ありがとうございましたm(_ _)m

 

そして運営の方々、最っっっっっっっっっ高の坂バカイベントを開催して下さり、本当にありがとうございましたm(_ _)m

 

 

【振り返りとかその他諸々】

こうしてThe PEAKSへのリベンジは幕を閉じました。

もちろん都合が合えば次のピークスも参戦したいと思っています。

 

思い返せば、このピークス熱海は私にとって特別なイベントでした。

坂を登るのが好きでピークスの存在を知り、初めてピークスに挑戦したのが2017年4月に開催されたザ ピークス ラウンド3 熱海で、その時は胃袋が完全に力尽き、制限時間に間に合わず無念のリタイアとなりました。

それからピークスへのリベンジを誓い、ブルベを早く走れるようになる練習を始めました。

最初は胃もたれに何度も苦しめられましたが、メキメキと力を付けていき、初めてブルベへ挑戦した2019年ではどのBRMでも余裕のタイムでSRを取得。

ここまで好タイムで走れるのなら、今度開催されるピークス熱海2では一般枠なんて余裕過ぎるだろうから、ド変態くらいがちょうどいいんじゃないかな?となり、そこそこ軽い気持ちでド変態コースへエントリー。

値段が少し安かったのもエントリーした理由の一つである(笑)

(もちろん2018年のリベンジ開催時もエントリーしてたけどその時は台風で中止に…)

今年の3月の中部200のブルベでは、今回のピークス熱海2 ド変態コースに向け、205km・約3600mアップの山岳コースを本気で走ったらどれくらいのタイムで走破できるのか試してみたところ、8時間53分という自分でも驚きのタイムで走破できてしまった事から、ピークス熱海2のド変態コースでもなんとか通用するくらいの力は持ってる事が確認できました。

しかしそれでも、今回のド変態コースである180km・5468mアップを制限時間10時間以内というのは、どう考えても時間内完走は厳しい気がしていて・・・完走できたとしても9時間50分とか、そのくらいギリギリになると見込んでいました。

それを今回9時間30分で走破することができたため、本当に良かったと思います。

 

あ、一応言っておくと、こう見えてピークスで時間内完走したのは今回が初めてです…(-_-;)

何せこれまで出場したピークスは熱海しかありませんから…(^_^;)

一応蓼科も1回目にエントリーしてたけど台風で中止となり、2回目の蓼科リベンジは仕事で行けずじまいになってます(汗)

 

 

話が変わりますが、今回の激闘では胃薬を途中で計2つ服用しました。

良いタイミングで胃薬を飲んだことにより、道中では胃もたれに苦しむことなくライドを終えることができました。

そして今回のライドを通し、胃薬を使うことで私の最大の弱点でもある胃袋の弱さをある程度カバーできる事が判明しました。

これは正直革命と言っても過言ではありません(^_^;)

なぜなら高強度をするといつも必ず胃袋が死ぬため、胃袋をいたわるために必ずどこかで強度(ペース)を落とす必要がありましたが、胃薬を服用しながら走ることでペースを落とす事なく走り続けることができ、これまでよりも更に早いペースでロングライドを走破する事ができるようになるのです!!

これは私にとって本当に大革命です。

なんでもっと早く胃薬に手を出しておかなかったんだろうと後悔をしています。

まぁ、昔から薬嫌いなので絶対に胃薬には手を出さないと決めていた自分が悪いんですけどね…(^_^;)

胃薬の恩恵を知ってしまったがために、今度のライドからは薬漬けの毎日が待ってることでしょu・・・あ、やっぱなんでもないです。

ちなみに胃薬をライド中に飲むことによって良くない事が起こるんじゃないかと今でも不安です。

胃薬の副作用?とか、もしご存知の方がいらっしゃれば参考に教えていただきたい…ですm(_ _)m

ちなみに飲んでる胃薬はコンビニで買ったパンシロンです。

 

 

さて、次は2週間後の中部1000kmのブルベを走ってきます。

まだこれまで600を1回しか走ったことがありませんが、無限に復活するのが自分の特技みたいなので、まぁ今回もなんとかなると思っています(^_^;)

ということで、これにてピークス熱海の物語はおしまい。

次は1000kmブルベでお会いしましょう……。

 

おわり!