山を登りて戻り来よ - ikarugaブログ

坂バカ・ikarugaの自転車日記。山岳ロングや1000km、1200kmブルベが大好きです。2019年からブルベを始めSR認定達成。2020年はThe PEAKS ROUND6 熱海2 ド変態増し9時間30分で時間内完走達成、BRM919 中部1000km 67時間24分で完走達成。2021年はRM424 岡山1200km 85時間34分で完走達成。

FULCLUM RACING3のフリーボディ交換

2/9㈯

天気があまり優れず、ちょー強い寒波がきてるせいで外はかなり低い気温。

こんな日はローラーに限るな〜♪と思い、愛車をローラー台にセットして回し始めようとしたその時、すぐに違和感を感じた。

 

「・・・・・・・・え??」

 

なんと、クランクが回らなかったのだ。それも一切動かない。

一応、逆回転はするが、正方向には全く動かず、びくともしない。

初めはドライブトレインのどこかに何か物がつっかえて動かなくなった?とか、プーリーからチェーンが落ちた?とか色々疑ったけどどこにも異常が見当たらない。

なのになぜか、クランクが回らず、ペダルを漕ぐことができなかった。

あとは異常があるとすれば・・・フリーだろうなぁ・・・・・。

車輪が回らないということは、フリーの爪で何か異常が起きている…??

とりあえず、ハブをバラせば何が原因なのかすぐわかることだろう!

 

 

・・・と、いうことで今回はフルクラム レーシング3のリアハブ分解・フリーボディ交換のお話になります!f:id:ikarugasan:20190209140635j:image

さっそくバイクを逆さまにして、リアホイールを取り外す。

リアホイールのハブを両手で持って空転させようとしても、なぜか全く回転しない。

あれ?普通回らないっけ?なんか明らかにおかしいような???

とりあえずクイックリリース、スプロケットを外し、5mm&5mmの六角レンチを両側から突っ込んでハブを分解する。

ちなみにリアの分解手順も基本的にフロントと同じです。以前記事にしたものがあるのでそちらもよければ参考にどうぞです。

シャフト引き抜け防止の部品を取り外したら、反対側からフリーボディがくっついてるシャフトをまるごと引き抜きます。

出てきました。f:id:ikarugasan:20190209141947j:image

爪は・・・3つとも異常無し。f:id:ikarugasan:20190209142019j:image

反対側も・・・特に異常は見当たらず。f:id:ikarugasan:20190209142112j:image

んー??

予想ではこのどれかが悪さしてると思ったんだが、どれも問題がなかった。

じゃあ何が悪いんだろう??

でも、シャフトが明らかに回っていないし・・・何かがおかしい。

残すは、フリーボディのみ。

もしかして、フリーボディに原因があるのか…?

よし、フリーボディも分解してみよう。

とりあえず一旦シャフトをハブに取り付け、その状態でフリーを取り外します。

フリーは5mmの六角レンチと17のスパナがあれば取り外せます。(写真はモンキーですが……)※逆ネジになっているので注意が必要です。f:id:ikarugasan:20190209142200j:image

あまり強く締め付けられていない箇所なので割とすんなり外せます。

17で外せる止め具とカラー(円筒形状の部品)を外したら、ようやくフリーボディのお出ましです。f:id:ikarugasan:20190209142723j:image

ん・・・何か、茶色い血が見えるんだけど、気のせいかな(-.-)f:id:ikarugasan:20190209142912j:image

フリーにはシールドベアリングが奥と手前に2つ入っているのですが、手前のシールドベアリングの動きがなんかおかしい。

というか、ベアリングなのに一切回転しない。

あー、これが原因だわ・・・(^o^;)

原因は分かったものの、修理はどうしよう。

シールドベアリングは圧入されているので専用工具(プーリー抜きとか)がないとベアリングの交換ができない。

ネットで調べるとフリーボディを新しく買ったほうが安いし手っ取り早いとか書いてあるものの、フルクラムのフリーボディ自体、普通に10,000円前後する。レーシング3を復活させるのに10,000円もあまり出したくないというのが正直な気持ち…(-.-)

うーん、どうしよう・・・

と、悩んでいたら閃いたっ!!!

レッドウインドのフリーボディを移植しよう!!

でもそうしたらレッドウインドを履くときにまた移植しないといけなくなり、面倒だ・・・

さてどうしたものか・・・と悩んでいたら再び閃いたっ!!!!

ずっと使っていないレーシングクアトロのフリーを移植すればいいんだっ!(^_-)

ということで、深い眠りから目覚めたレーシングクアトロは起こされるやいなや、レーシング3へフリーボディを移植されるのでした(^o^;)f:id:ikarugasan:20190209144103j:image

ちなみにレーシングクアトロはハブに使っているシールドベアリングが寿命を迎え、フロント・リア共にゴリゴリの状態となってしまい、ベアリング打ち替えをしない限り使用できない状態になっています。(これでフリーボディまで使えなくなるので、クアトロはもう完全にお役御免かな…(T_T))

左がクアトロに付いていたフリーで右がレーシング3のフリー。f:id:ikarugasan:20190209144125j:image

・・・なんか、ぱっと見、色が違うような?

手で持ってみても、なんかクアトロに付いていたフリーの方が軽いような??

これは、もしや・・・。

それぞれの重量を測ってみる。

 

レーシング3のフリー:110g

クアトロのフリー:65g

 

間違いない、クアトロに付いていたフリーは軽量なアルミフリーだ!(そんでもってレーシング3はまさかのスチール製でした)

まさかこんなところで45gの軽量化が果たせるとは。

そしてグレードの低いホイールに軽いフリーボディが付いていました(驚)が、そういうもんなんでしょうか??(そこらへんあまり詳しく知りません。)

一応、前後で1,598g→1,553gとなりました。なにげに嬉しいです。

ただし、アルミフリーはスチール製よりも軽い代わりにスプロケットが噛み込んでいくちょっと厄介な現象が起こるので一概に良くなったとも言えません。。。(え?プラズマ電解酸化処理?なにそれおいしいの?)

 

フリーボディ交換にさしあたり、清掃・グリスアップを行います。

まずはフリーの爪、スプリングをバラす。f:id:ikarugasan:20190209152647j:image

きれいに掃除しました。f:id:ikarugasan:20190209152759j:image

ここであまり詳しく知らないという方のためにも、フリーボディの仕組みをかんたんに解説します。

普段は3箇所に爪が付いており(今回は説明のために代表で1箇所)スプリングが付くことで下の写真みたいに常時爪が上を向いた状態になってます。f:id:ikarugasan:20190209153341j:image

ペダルを回すとドライブトレインを介して力が伝達され、フリーボディが回転して爪がハブのギザギザを押す方向に動きます。(つまり車輪を回転させ、自転車を進ませることができる。)f:id:ikarugasan:20190209153546j:image

足を止めたり、ペダルを逆回転させるとハブのギザギザが爪を下に押しながら通過します。

爪が下に押されるという状態が下の写真の状態です。f:id:ikarugasan:20190209154147j:image

爪が下に押されても、スプリングの力で爪は常に上を向くように動くため、ハブのギザギザを通過したあと爪はまた上を向いてもとの状態に戻ります。

この爪が上を向いた状態に戻った瞬間、ハブのギザギザに爪が当たる時に鳴るのが普段走ってて必ず耳にするラチェット音の正体ですね。

でもって、この爪を上に向かせるためのスプリング(正式名称:ポールスプリング)…ごくまれに折れることがあり、折れると3箇所の爪が上を向かなくなり、つまりハブのギザギザを押せなくなります。…まあつまり、走行不能になります。

Amaz○nで調べたら5本セットで約1,000円で売っていました。

予備で持っておくのもアリかもしれません。(それにしてもなぜ5本セット…??)

 

以上で解説終了です。

お次はグリスアップ。

グリスの量でラチェット音を調整できると聞いてますが、あまり試したことがなく、ラチェット音自体大きくても小さくてもどっちでもいいのでグリスは適量入れることにします(でもどちらかというと爆音派です(笑)後ろにいても自分の存在を気づかすことができるのがいいところです。)

グリスを適量入れたらグリスの粘り気を利用し、爪を付けます。f:id:ikarugasan:20190209160257j:image

そこに上からスプリングを取り付け、爪を自動的に立たせます。f:id:ikarugasan:20190209160833j:image

ちなみにスプリングは溝が切ってある通りにしか入らないので安心して奮闘してください(^o^;)

反対側にも薄くグリスを塗ります。f:id:ikarugasan:20190209160952j:image

ハブのギザギザ、シール部にもグリスを塗ります。f:id:ikarugasan:20190209161012j:image

グリスを塗ったらフリーを取り付け。付けるときはつまようじとかで爪を下に向かせながらやると入りやすかったです。

あとはそのまま逆の手順で取り付けしていき、最後に玉当たり調整したら完成。

ついでにスプロケットも掃除し、変速性能が大幅に回復しました。 

 

ということでクアトロの力を借り、無事レーシング3が復活しました。

クアトロは死んだけど、今も、これからも、レーシング3の中で永遠に生き続けます…!(笑)

 

おしまいf:id:ikarugasan:20190209183639j:image