今回は手組ホイールを作るのに必要な工具を紹介します。
とりあえず必要なのはこんな感じ。
・ニップル回し
・スポークテンションメーター
・センターゲージ
・振れ取り台
・つまようじ
・マイナスドライバー
・グリス
これだけあれば手組は作れると思います。
順番に紹介していきます。
まずはニップル回し。
パークツールのSW-0です。
ニップル回しは自分が使おうとしているニップルのサイズに合ったものを使わないといけないです。
今回の場合だとDTのアルミニップル。
DTは面が3.2mmなので、3.2mm用のニップル回しが必要。
その3.2mm用のニップル回しが上の写真の持ち手が黒いタイプのやつです。
前の記事にも書きましたがアルミニップルは舐めやすいので適正なニップル回しを使わないとマズイことになります。
例えば、色んなサイズに対応しているニップル回しは一見便利そうですが保持面が弱く、舐めやすいとのことです。
このパークツールのニップル回しは三面保持でニップルに当てるとガッチリはまり、不注意さえなければ舐めることなくしっかり回せます。
なのでこれにしました。
・・・っていうかレーシング3用にと前から持ってたんですけどね…。
次はスポークテンションメーター。
これまたパークツールです。TM-1というやつ。
これはスポークテンションを数値として見るための道具で、手組を組んだ際のテンション管理のためには必須のアイテムです。
また、完組ホイールの色んなエアロスポークにも対応しているため、フルクラムホイールのテンションをチェックして自分でメンテする・・・といったこともできます。(ただし、ショップの人情報ですが完組ホイールはそれ用にテンションが掛けられているので無闇にテンションを上げたりはしない方が良いとのこと。スポークを触るなら、振れ取りを行う程度に留めた方がいいらしいです)
使い方は至って簡単、黒い部分を握ると上部に3点あるシルバーの柱のうち、中央の柱が下に下がる構造になってます。
中央の柱はバネの力で戻ろうとするので、中央以外の2点と下に下がった中央の柱の間にスポークを挟み込み、下部にあるメーターでその時の針が指している値を読みます。
これだけではまだだめで、そのメーターが指している値を工具の裏に置いてある換算表で照らし合わせ、ようやくかかっているテンションを読み取ることができる・・・という仕組みです。
スポークテンションメーターの品質ではこれが間違いないようなのでこれにしました。
値段が異様に高く、Amaz〇nで買っても8000円近くします。(それ相応の性能は確かにあるけれど…)
そのため、今回は師匠からお借りし、次回組む時は自分のを買うことにしました。
次はセンターゲージ。
またしてもパークツールです。WAG-4という製品。
これは何に使うのかというと、ホイールのセンター、つまり中心を見るために使います。
ホイールは組んでいく途中でテンションの差により、ハブもしくはリムが片方に偏り、左右均等になってない状態になることがあります。
左右均等になっていない状態のままでは走行ロスが発生し、走りが不安定になるため、左右がバランスするようセンターゲージをあててハブが中心になるよう調整します。
使い方としては、こんな風にまずは片面のリム、ハブのロックナットに当てて・・・
ゲージのハブのところにあるネジを締めてその位置を固定させます。
で、固定されたセンターゲージをホイールの反対側に当ててピッタリとリム、ハブが合えばセンターが出てる証拠。
ピッタリ合わず、ハブは付くけどリムは付かない、もしくはリムは付くけどハブは付かないという状態であればセンターが出ておらずどちらかに偏っているということになります。
センターが合ってない場合、次の組み立て編でも話しますが、ニップルを全周均等に締めてリムをセンターが出る方向に引き寄せます。
ちなみに振れ取り台やフレームにホイールが装着されている場合でも使うことができるので便利です。
購入はAmazonで7000円くらいで買いました。
お次は振れ取り台。
振れ取り台はTacx Exact Truing Standにしました。
振れ取り台は言わずもがな、ホイールの振れを取るための専用の台です。
振れ取り台はどれを選んでも高いため、庶民には手が出しにくい工具ではありますが、比較的安価なものもあります。
それがこのTacxの振れ取り台。
Amaz〇nで11000円くらいで買いました。
ミノウラの振れ取り台はさらに安く買えますが、固定が甘いせいでよく動いてしまい、精度が出せないとのことなので却下。(ミノウラは安いのにセンターゲージまで一緒についてくるため、話だけ聞けばかなり得です。使えるかどうかは置いておいて…。自分は前述した理由から、あえてそれぞれ別のものを買いました)
そしてこの振れ取り台・・・せっかく買ったはいいものの、発送が遅かったせいで手組ホイールが完成したあとに家に届きました(^_^;)
手組が出来上がってから振れ取り台が届くとか、どんなギャグやねん・・・てツッこみたくなります。(まさに台無し。)
ちなみに振れ取り台無しでどうやって振れ取りを行ったかというと、RIDE4000のバイクに取り付け、逆さまにして振れ取りしました。
ブレーキシューをうまく使えば振れ取り台無しでも振れ取りが可能です。
もし出先でスポークが折れ、その場で修理しないといけなくなった際はバイクを逆さまにして修理することになるため、今回はいい予行練習になりました。
次はつまようじ。
TM-9000です。
やはりデュラエースグレードだと他のつまようじに比べてツヤが違いますね。
嘘ですすみません。
何に使うのかというと、写真のようにニップルに差し込み、リム穴に入れる時に使います。
つまようじなどでガイドしておかないと、リム穴の中にうまく入らず、リムの空間の中に落っこちてしまうため、それを防止するためのものです。
次はマイナスドライバー。
ニップルの頭はマイナスドライバーで回せるよう、くぼみになってます。
さきほどのつまようじでリム穴に入れたニップルを、今度はマイナスドライバーで回してスポークにねじ込むために使います。
使うのはスポークに入る最初のタイミングだけで、一旦ニップルが入ってしまえばそこからはニップル回しにバトンタッチします。
最後にグリス。
グリスはパークツールの深緑色のやつを使用。
何に使うかというと、スポークのネジ山に塗ります。
本来はスポークプレップというスポーク専用のグリスを塗るのですが、国内では入手困難らしく、ネットの記事を色々見て回っていると普通のグリスで手組をしている人も結構いるようだったので普通のグリスを使いました。
ネジ山にグリスを塗っておかないと、テンションをかけた時にスポークも一緒に回ってしまいます。
スポークが一緒に回ってしまうとスポークがねじれてしまい、振れの原因につながります。
そのため、潤滑・固着防止の目的で塗りました。
これで必要工具編は終わり。
次回は組み立て編です。(トラブル続出でした…)
つづく