5月13日(土)は雨だったので外で走れず。
代わりに家でブレーキワイヤを交換してみました!
自分でブレーキワイヤの交換をするのは今回が初めてということで、記事として書き記していきます。
基本的に自分用のメモのつもりで書いていきますのでよろしくですm(_ _)m
事の発端は、ピークスの翌日・・・愛知へと帰る途中のこと。
高速に乗って移動中、車の中でリンさんと少し激しめのパーツトークを繰り広げている最中、ブレーキについて語る場面がありました。
その時、自分がこんな話を持ちかけてみた。
「以前ブレーキキャリパーを105化したのに、未だにダウンヒルが安定しない。熱海峠(13%が6km続くキチガイじみた峠)を下った時なんか、全然止まらなくて死ぬかと思った!!なんで制動力が良くならないんだろう??」
「それはブレーキワイヤがへたってるのでは?」
「ブレーキワイヤ・・・だと・・・!?(; ・`д・´)」
※実際の状況とは異なる表現があります。
そう、制動力が上がらない原因は、ブレーキワイヤにあるというのです。
確かにリンさんのバイクのブレーキは、自分のブレーキと比べて断然引きが軽い。自分のブレーキの場合、ブレーキを引くとコリコリと音を立てて抵抗が発生しているような感覚があるが、リンさんのブレーキにはそれがない。
「ブレーキワイヤを替えるとめっちゃ変わりますよ!」
そんな言葉に後押しされ、近いうちにブレーキワイヤを交換することを決意したのでした・・・(笑)
これがブレーキワイヤを交換することになった経緯。
最初はブレーキ部分は命に関わる部分だし、ショップにお願いしようかな・・・と考えていたが、ショップに預けるのは正直面倒くさいし、余計な工賃も発生する。
そこで、自分でブレーキワイヤを交換できないだろうか!?と思いつき、自転車整備のプロ、リンさんに相談を持ちかけたのでした。
すると・・・
「ikarugaさんなら大丈夫ですよ!」
その一言に心を動かされ(単純)、自分でもできるんだ!という謎の自信が湧いてきて自分で交換することを決めたのでした(笑)
自分でやると決めた途端、ブレーキワイヤの交換方法をネットの深い海に潜って探しまくりました。
さらに、リンさんにもブレーキワイヤの交換方法についてLINEで質問攻め(?)を行って情報をとにかく集めまくります。
(ようやくここから本編入ります(; ・`д・´))
そうして迎えた今日(5月13日)。
ブレーキワイヤ交換の前に、まずはブレーキワイヤの基本的な構造のおさらいと交換するのに必要なものについてまとめます。
ブレーキワイヤにはアウターケーブル、インナーワイヤーとあり、言葉のとおりアウターケーブルという外装の中にインナーワイヤーが通ってブレーキの役目を果たしています。
今回交換するのはこのアウターケーブルとインナーワイヤーになります。
インナーワイヤーだけの交換も可能ですが、自分の場合アウターケーブルも劣化していたため両方交換します。
今回用意したのはこちら!ROAD BRAKE CABLE SET DURA-ACEです。
デュラエースの名がつく最上級グレードのワイヤーセットです。
セットなのでアウターケーブル、インナーワイヤーが入ってます。
これとは別に、インナーワイヤー単体でも売られており、インナーワイヤーだけを購入することもできます。
その場合、2000円もかからないくらい安く買うことができるのでインナーだけの交換ならばおすすめですね。
中から取り出したインナーワイヤーです。
デュラエースワイヤーの最大の特徴として、ポリマーコーティングが挙げられます。
このポリマーコーティングとは、ワイヤー表面に特殊な膜を張ることで摩擦抵抗を減らし、より滑らかな操作が可能となる技術のことです。
デュラエースのワイヤーにはこのポリマーコーティングが施されており、これはシフトワイヤーの場合でも同じように施されてます。
しかし、このポリマーコーティング・・・長く使用していると劣化してきて表面の膜が剥がれ、ケバケバした状態になって滑らかな操作を邪魔したりしなかったりするそうです・・・(;´^_^`)
自分もシフトワイヤはずっとデュラエースを使い続けてますが、長く使っていると確かにケバケバしたものができあがります。人によっては気になる人もいるんだとか。(自分は特に気になりません)
ブレーキワイヤの構造ですが、ワイヤの片方の端っこにはタイコと呼ばれる引き抜け防止の物体(?)が付いています。
ブレーキを握るとこのタイコがセットされているのが分かります。(シマノのレバーの場合。)
ここでブレーキワイヤが引き抜けないよう、タイコは日々努力しているという訳なんですね。
インナーワイヤーを交換する時は、このタイコを引き抜く形で取り出し、挿入時はタイコじゃない方(何もついていない反対側)をここから入れてインナーワイヤーを挿入します。
ブレーキセットの中に入ってるのは、あとはアウターケーブル2本(写真は無し)とエンドキャップ(アウターケーブル用2本、インナーワイヤー用2本)です。
さて、お次はブレーキワイヤ交換に必要な工具についてです。
必要な工具は次の4つ。人によっては他にも必要なものがあるかもしれない。
★ワイヤーカッター
★ヤスリ
★六角レンチ
★画鋲など、先端の尖ったもの
このうちワイヤーカッター、ヤスリは家に無かったので今日買ってきました!
ワイヤーカッターは銅線専用のものでは使えないため、ちゃんとワイヤーロープやステンレス線用と書かれたものを買いました。
ちなみにニッパーで代用できないのか?とも考えましたが、ニッパーではアウターケーブルが切断不可能なため無理でした。
リンさん曰く、インナーワイヤーだけならなんとか切断ができるそうですが、線がほどけてしまうため結局うまくできないのでオススメしないとのことです。
・・・が、ここで早速失敗してしまいました(´;ω;`)
ワイヤーカッターを買ったはいいものの、切断可能寸法がオーバーしていました(;´Д`)ワイヤーカッターはΦ4.0のところが、アウターケーブルはΦ5.0。
これはムリか・・・?と希望を失いかけたが、たった1mmの違いならなんとか使えなくはないんじゃないか?と思い、アウターケーブルの先端を試しに切ってみる。
寸法的に口がそもそも入らなさそうだっただが、恐る恐る挿入してみるとギリギリで口が入り、切断も何ら問題なくできました(;´^_^`)切断した断面も意外とキレイでした。これならいけそう!
ちなみに新品のアウターケーブル、インナーワイヤーは長いのでバイクに合わせてカットしますが、カットした断面には金属片が残っています。
それを用意したヤスリで取り除き、断面をなるべく平らにするのです。
そして、上の写真ではキレイに切れたので良いのですが、普通はアウターケーブルを切断すると中に通っているライナー管が潰れてしまうため、うまく処理して穴を広げなければインナーワイヤーを通すことができません。
そこで登場するのが「画鋲などの先端が尖ったもの」というわけなのです!
ある程度おさらいができたところで、そろそろ実際のブレーキワイヤ交換作業に入っていきます!!フロント→リアの順番でワイヤーを交換します。
まず初めにバーテープを剥がします。
バーテープを剥がすと再利用できないものも多いため、バーテープ交換のタイミングに合わせてブレーキワイヤの交換をするのが一般的みたいです。
ちなみにアウターケーブルはそのままで、インナーワイヤーのみの交換であれば、バーテープを剥がさずに交換ができちゃいます。すごい。
自分のスパカズのバーテープはというと、剥がしても跡が残らず、全然問題なく再利用できそうでした。このバーテープを導入したのは今年の2月か3月くらいなので、再利用できたのはまだ使い始めて間もないというのもあるのだろう。
バーテープを剥がした。セロハンテープで固定されたアウターケーブルが姿を現します。(ショップの人がやってくれたのだけれど、セロハンテープで固定って一般的なのかな…?)
セロハンテープは邪魔なので取っ払います。滅多に掃除できないところなので、これを機にウエスで綺麗に掃除します。
そうしてピカピカテカテカに(笑)
次にブレーキキャリパーのワイヤーを固定している部分を外します。
六角で簡単に外れました。ワイヤーを通す溝が切ってあるんですね。(ナニモシラナイ)
ワイヤーのエンドキャップも外しておきます。
この状態までくると、ようやくアウターケーブルが自由に動き、取り外せるようになります。
アウターケーブルを取り外し、インナーワイヤーも引き抜きます。タイコ側からでないと引き抜けません。
取り外したアウターケーブルとインナーワイヤー。インナーワイヤーには黒いグリスがついてました。
そうそう、新しくワイヤーを挿入する時はグリスを塗らないといけないみたいです。
今回のデュラエースのワイヤーの場合だと、アウターケーブル内には既に専用のグリスが塗られており、新たにグリスを塗る必要がありませんが、何も塗ってないようなアウターケーブルの場合はインナーワイヤーにグリスを塗ってから挿入しないといけないみたいです。
新品のワイヤーは長すぎるのでカットしますが、長さは既存のワイヤーに合わせて切ればほぼ間違いがありません。左が古い方で右が新しい方。
あとは、好みで長くしたり短くしたりするといいそうです。
フロントは少し長いと感じていたため、仮でアウターケーブルを這わせて長さを調整します。
長さが決まったらワイヤーカッターで切断です!
切断の瞬間はドキドキです。失敗したらオワリですので、緊張感があります。
この長さで本当に間違いないんだよな・・・?と何度も確認してから切断。こういう所で性格が出ますね・・・(笑)
無事切断できたら、断面を綺麗に処理します。いい感じです。美味しそうなドーナツ状になってれば大丈夫です。
断面処理もできたら、いよいよアウターケーブルとインナーワイヤーを取り付けていきます。
取り付けはレバー側から。アウターケーブル、インナーワイヤーを通したら、シフトワイヤと一緒にこの時点でハンドルにテープで固定します。セロハンテープではなくビニルテープを使ってます。正直セロハンテープよりビニルテープの方が好きだなぁ。
ハンドルに固定できたら、アジャスターボルトにワイヤーを通してブレーキキャリパーにワイヤーを固定します。
この時ブレーキキャリパーを手で動かし、ブレーキが閉じた状態にしてワイヤーを固定するとやりやすいです。
そして固定が完了。
固定ができたら、ブレーキレバーを強く、数回握って初期伸びをさせます。
初期伸びをさせておかないと、せっかく固定したワイヤーが緩んできてしまうため、取り付けた段階で処理しておくのです。
そして初期伸び処理が完了したら、自分好みの握り幅に最終調整し、剥がしていたバーテープを元に戻せばブレーキワイヤ交換作業完了です(´∀`*)
リアも同じような要領でやっていきます。
・・・が、リアの場合は気をつけなければいけない部分があります。
それは何かというと、リアの場合、途中からフレームの内部を経由しているのです。ちょうどこの部分ですね。
フレームの内部を経由している場合、どのような問題が発生するのかというと、アウターケーブル、インナーワイヤーを全て引き抜いてしまった場合、挿入がものすごく難しくなります。
単純に、フレーム内部に挿入したはいいが、もう一方からワイヤーが出せない・・・なんてことになるのです。
じゃあどうすればいいのか?ということになりますが、答えは簡単。
アウターケーブルもしくはインナーワイヤーのどちらかを、フレーム内部に通したままにすれば良いのです。
そうすることによって、新品のアウターケーブルもしくはインナーワイヤーをフレーム内部に挿入することができるようになります。
これ、案外大事なことですよね・・・。
何も考えずにすべて引き抜いていたら、多分泣いていたと思います(`д´;)
取り出したリアの古いアウターケーブル。錆がヤバイです(; ・`д・´)
よくこんな状態で使っていたなぁと自分でも感心してしまいます(汗)
よく見るとライナー管が錆び付いてますね。一応取り出したインナーワイヤーを確認したところ、特に錆等は見つからなかったので良かったですが、仮にアウターケーブルの劣化が進んでいて、もしもアウターケーブルに穴が空いていたとしたら、インナーワイヤーが直接フレームと干渉することになり、フレームにダメージがいっているところでした・・・。怖い怖い・・・。
・・・そして作業を続けること数十分・・・・・・
なんとかリアもブレーキワイヤの交換が完了!
これで前後とも作業が終了しましたー!\(^o^)/
さてさて、さっそくどれだけブレーキの引きが良くなったか試してみるかな・・・・・・?
おおおっ!!!
か、軽い!!!
大成功です。ブレーキが今までよりもさらに効くようになりました!!(o^^o)
(というか前がダメ過ぎただけだったのかも・・・?)
これでどんな坂のダウンヒルでも安心して下れるようになる・・・はず!?
今回初めてブレーキワイヤの交換をやってみましたが、意外と簡単にできるということを知って驚きました。
今後も自分でワイヤー交換をやっていこうと思います。
・・・それでは、また!!
(5/15追記)
ポリマーコーティングのデュラエースブレーキワイヤですが、グレードによって互換性があるものと無いものがあります。
基本的に2017年5月現在において、最新のブレーキならば互換性がありポリマーコーティングワイヤーが使用できます。
具体的には9000系、6800系、5800系、4700系など・・・。(シマノブレーキ ディーラーマニュアルより)
そして、互換性の無いものについてはポリマーコーティングワイヤーが使用できません。ワイヤーの固定部に違いがあり、最悪の場合すっぽ抜けるおそれがあるみたいです。
互換性の無いモデルは、基本的に古い世代のモデルになります。
例えば、7900系、6700系、5700系、4600系など・・・。
互換性の無いものについては、当たり前ですが使用できないため、当ブログを参考にしてワイヤーをデュラ化しようとお考えの方はくれぐれも注意してくださいね!!